■あらすじ(序盤まで)
未来。犯罪都市ヨハネスブルグでは大量のロボット警官が投入されている。
ロボット警官の開発者ディオンは『心』のあるAIの開発を趣味で行っており、ついに完成したそのAIを会社に隠れて廃棄処分の決まったロボット警官にインストールしてしまう。
現金強奪をたくらむギャングはロボット警官を無効化するためにその開発者のディオンを拉致する。
ディオンとギャングの下で、AIロボット警官は誕生し、生まれたての赤ん坊のような状況から高速に成長していく。
AIロボット警官はチャッピーと命名され、ギャングの仲間となる。
チャッピーは葛藤する。
■感想1 普通の感想
「この話なんだろう。どういう意味だ」(バラード禅問答)
エピソードはとっちらかっていて「いったいどこに着地するのだこの話は」と見ていると、えらいところに着地する。物語の発端とラストで繋がってるのかというと怪しい。
もちろん繋がるように細かいエクスキューズがされているが。
よくもまぁこんなシナリオを書いて、そのまま最後まで撮影したと感心する。
とっちらかっているおかげで、心とは、命とは、善悪とは、といったテーマが説教臭くなっていないし、とくに回答も示していない。
この監督の作品では、第9地区、エリジウムを見ているが。エリジウムは人気スターのマットデイモンを使って分かりやすい話を撮って居たが、おそらくはこのチャッピーや第9地区のような、混沌とした話に、メッセージ性の断片を混ぜて、映像で見せるタイプの映画が得意なのだと思う。
登場人物も美男美女ではなく、居そうな感じ、ありそうな感じで攻めている。それがチャッピーのリアリティにプラスに働いている。
そういった、ゴチャっとした構造やメッセージの断片が多く解が無いことから、この映画の感想は人によってかなり異なるだろう。
■感想2 オタの感想
チャッピーの造型がすばらしい。ナイスデザイン。
顔のパーツで目の位置が解像度の粗い発光モニターのようになっていて目の表情を表現する。
そして顔の上下に可動式のロールバーが配置され、これを眉毛のように使う。
さらにウサ耳のようなブレードアンテナがありこれで感情を表現する。
非常にマンガ的なのだが、実際のデザイン上の目、カメラは口の位置にあり戦闘ヘリなどについているガンカメラのような形をしている。
目は、目を表現するためについていて、これは目じゃないよ。というエクスキューズがなされているのだ。
いいデザインだ。たとえばガンダムが起動時目がビコーンと光ったり、ザクがヴォンとモノアイ点灯したりするけど。目がカメラであるならカメラ自体が発光するのはおかしい。あれは複合センサーである、とか後から理由付けがされているが。
基本的に。ロボットの目は光らせたくなる、光らせないとマが持たない、しかし光らせると嘘臭い、というジレンマがあるわけだが、ひょいっと避けている。
怪獣映画だって目に電飾仕込んで白眼を光らせちゃったりするというのにだ。
イカス。
撮影技術も見事なもので、不自然さほとんど無しでロボット警官の存在を成立させている。
最近のCGはもうなんでもアリだ。
あと、デザインについてついでに書くと。
人間の意識で操縦するED209のようなロボがあるのだが。
その意識で操縦するためのヘルメットがまた、電飾がついててピカピカ光る。
それはやっぱりナシだなーと思う。分かりやすい記号ではあるのだが。チャッピーのデザインがそのあたりで上手い解法を見せただけに。
そんで、ED209の大活躍だが。
二脚武器プラットフォームが、歩く、飛ぶ、クラスターミサイルをばら撒く。
前後のお話から浮く大暴れである。ノリノリ。ゲーム的。
この監督は第9地区の時もそうだったが、お話を進めている時と、アクションをやってる時で、切り替え過ぎというか、なんか急にノリノリになる。
嫌いじゃないが、もう少し馴染ませた方がいいのではとか思っちゃう。
後その辺の馴染ませ方として、ロケーションはとても成功していると思う。
さすが犯罪都市ヨハネスブルグだけあって、そのロケーションによる映像の説得力は映画にプラスに働いている。
犯罪者がウジャウジャ⇒ヨハネスブルグだし
犯罪者が無茶な武装⇒ヨハネスブルグだし
ロボット警官を大量投入⇒ヨハネスブルグだし
郊外でクラスター爆弾⇒ヨハネスブルグだし
映画全体的に⇒ヨハネスブルグだし
といった感じ。第9地区もそうだった。宇宙人を食ってみてもまぁヨハネスブルグだしなー。みたいな。監督が、ヨハネスブルグの出身だそうだ。
■日本版での残虐シーンカット
見比べたわけではないのでどこがカットされたか分からない。
シーンをカットしたわけではなく、カメラのトリミングでほんの少し隠したぐらいだという。
それは一体誰に対する、何のための、変更なのか。
これに関しては不快感を表しておく。
■まとめ
普通にちゃんと面白く、話の着地点としては「え?」というところに落ちるので、賛否両論はあれど、一度見る分には十分元が取れる面白さだと思う。
レイトショーで見たが、半分ぐらいの客数であった。
オススメ。
未来。犯罪都市ヨハネスブルグでは大量のロボット警官が投入されている。
ロボット警官の開発者ディオンは『心』のあるAIの開発を趣味で行っており、ついに完成したそのAIを会社に隠れて廃棄処分の決まったロボット警官にインストールしてしまう。
現金強奪をたくらむギャングはロボット警官を無効化するためにその開発者のディオンを拉致する。
ディオンとギャングの下で、AIロボット警官は誕生し、生まれたての赤ん坊のような状況から高速に成長していく。
AIロボット警官はチャッピーと命名され、ギャングの仲間となる。
チャッピーは葛藤する。
■感想1 普通の感想
「この話なんだろう。どういう意味だ」(バラード禅問答)
エピソードはとっちらかっていて「いったいどこに着地するのだこの話は」と見ていると、えらいところに着地する。物語の発端とラストで繋がってるのかというと怪しい。
もちろん繋がるように細かいエクスキューズがされているが。
よくもまぁこんなシナリオを書いて、そのまま最後まで撮影したと感心する。
とっちらかっているおかげで、心とは、命とは、善悪とは、といったテーマが説教臭くなっていないし、とくに回答も示していない。
この監督の作品では、第9地区、エリジウムを見ているが。エリジウムは人気スターのマットデイモンを使って分かりやすい話を撮って居たが、おそらくはこのチャッピーや第9地区のような、混沌とした話に、メッセージ性の断片を混ぜて、映像で見せるタイプの映画が得意なのだと思う。
登場人物も美男美女ではなく、居そうな感じ、ありそうな感じで攻めている。それがチャッピーのリアリティにプラスに働いている。
そういった、ゴチャっとした構造やメッセージの断片が多く解が無いことから、この映画の感想は人によってかなり異なるだろう。
■感想2 オタの感想
チャッピーの造型がすばらしい。ナイスデザイン。
顔のパーツで目の位置が解像度の粗い発光モニターのようになっていて目の表情を表現する。
そして顔の上下に可動式のロールバーが配置され、これを眉毛のように使う。
さらにウサ耳のようなブレードアンテナがありこれで感情を表現する。
非常にマンガ的なのだが、実際のデザイン上の目、カメラは口の位置にあり戦闘ヘリなどについているガンカメラのような形をしている。
目は、目を表現するためについていて、これは目じゃないよ。というエクスキューズがなされているのだ。
いいデザインだ。たとえばガンダムが起動時目がビコーンと光ったり、ザクがヴォンとモノアイ点灯したりするけど。目がカメラであるならカメラ自体が発光するのはおかしい。あれは複合センサーである、とか後から理由付けがされているが。
基本的に。ロボットの目は光らせたくなる、光らせないとマが持たない、しかし光らせると嘘臭い、というジレンマがあるわけだが、ひょいっと避けている。
怪獣映画だって目に電飾仕込んで白眼を光らせちゃったりするというのにだ。
イカス。
撮影技術も見事なもので、不自然さほとんど無しでロボット警官の存在を成立させている。
最近のCGはもうなんでもアリだ。
あと、デザインについてついでに書くと。
人間の意識で操縦するED209のようなロボがあるのだが。
その意識で操縦するためのヘルメットがまた、電飾がついててピカピカ光る。
それはやっぱりナシだなーと思う。分かりやすい記号ではあるのだが。チャッピーのデザインがそのあたりで上手い解法を見せただけに。
そんで、ED209の大活躍だが。
二脚武器プラットフォームが、歩く、飛ぶ、クラスターミサイルをばら撒く。
前後のお話から浮く大暴れである。ノリノリ。ゲーム的。
この監督は第9地区の時もそうだったが、お話を進めている時と、アクションをやってる時で、切り替え過ぎというか、なんか急にノリノリになる。
嫌いじゃないが、もう少し馴染ませた方がいいのではとか思っちゃう。
後その辺の馴染ませ方として、ロケーションはとても成功していると思う。
さすが犯罪都市ヨハネスブルグだけあって、そのロケーションによる映像の説得力は映画にプラスに働いている。
犯罪者がウジャウジャ⇒ヨハネスブルグだし
犯罪者が無茶な武装⇒ヨハネスブルグだし
ロボット警官を大量投入⇒ヨハネスブルグだし
郊外でクラスター爆弾⇒ヨハネスブルグだし
映画全体的に⇒ヨハネスブルグだし
といった感じ。第9地区もそうだった。宇宙人を食ってみてもまぁヨハネスブルグだしなー。みたいな。監督が、ヨハネスブルグの出身だそうだ。
■日本版での残虐シーンカット
見比べたわけではないのでどこがカットされたか分からない。
シーンをカットしたわけではなく、カメラのトリミングでほんの少し隠したぐらいだという。
それは一体誰に対する、何のための、変更なのか。
これに関しては不快感を表しておく。
■まとめ
普通にちゃんと面白く、話の着地点としては「え?」というところに落ちるので、賛否両論はあれど、一度見る分には十分元が取れる面白さだと思う。
レイトショーで見たが、半分ぐらいの客数であった。
オススメ。
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