福島第1原発:核燃料搬出、最大3年遅れ 廃炉工程表改定
毎日新聞 2015年06月12日 21時33分(最終更新 06月12日 22時35分)
政府と東京電力は12日、東電福島第1原発の廃炉に向けた工程表を2年ぶりに大幅改定した。1〜3号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出し時期を、従来よりも最大3年程度遅らせるとともに、廃炉作業の最難関となる原子炉格納容器内の溶融燃料(燃料デブリ)の取り出しについては、工法を見直す方針も盛り込んだ。廃炉完了は「30〜40年後(2041〜51年)」とする全体目標は変えなかったが、作業員の確保とともに、被ばくをいかに低減できるかが目標達成の鍵を握る。
これまでの工程表は、廃炉作業を迅速に進めることを優先したため、作業員の労災事故を招き、逆に作業が遅れた。今回の改定では、作業に伴う被ばくや放射性物質の飛散を抑制するため、作業に優先順位をつけたのが特徴だ。
1〜3号機のプール内には計1573体、格納容器内には1496体の燃料が残り、廃炉作業を妨げている。新工程では、プール内の燃料の回収開始時期を、最も早い3号機で「今年度上期」から「18年1月」に変更。「17年度上期」「17年度下期」としていた1、2号機についても、それぞれ「21年3月」「20年8〜11月」に延期した。