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奴隷を買ってきた(山賊が)
今回のんは多分R-15要素です。ご注意。
山賊の新人が5人減った翌々日、山賊の親分が新しい人員を連れてやってきた。
その数なんと18人。……今までが8人の7人増えーの5人減りーので、10人だったから、一気に2.8倍の28人になるというね。どっから連れてきた……と思ったら、そのうち2人は道すがら襲った冒険者で生贄っぽく縛られていた。まぁ、それを抜いても26人になる。もうこれ小さな村作れる規模じゃないか?
「あら、生贄を除くと全員奴隷ね」
「見てわかるもんなのか。……ああ、首輪か。まぁいや、生贄二人分……うん、奥へ2部屋つくってやろうか。さすがに入りきらないとDPにならないし拡張優先で……」
上から見ると、右上の欠けたロの字になるように部屋を作ってやる。
というか、この世界じゃ奴隷って山賊に売っていいのか?
「犯罪奴隷っていって罪を犯したニンゲンが奴隷にされることがあるって聞いたけど……」
「それを山賊が買ったら犯罪者に復帰じゃねーか。ザルだなぁ……」
まあ、見るからに非戦闘員……女性、というか女の子の姿があった。
この世界、生活魔法とかあるもんだからあまり汚すぎる格好ということはない。
……うん、ほぼ全裸で布きれってのは目に毒だね。てか、親分が抱えてる奴隷、明らかに年齢ヒトケタじゃないか? そんな死んだ魚のような目をした子供なんて買ってきてどうするんだ。娘として育てるのか? おい、しかも犬耳……っておい、
性 奴 隷 で し た 。
お前ロリコンかよ! ここにきてR-18展開かよ! まぁここまで男しかいなかったもんなぁ。
ぼろきれにしか見えない服をはぎとり、本当に浄化魔法使ってるのか怪しい手でねっとりと体を撫でまわし、汚らしい音をたてて顔に吸い付き、ベッドに押し倒して……ああうん、カットな。
そりゃ死んだ魚のような目もするわ。完全にお人形さんだな。
「うっわー……うわあー、すごっ……ニンゲンって、まだ体があんな小さいうちから生殖行動するのね、知らなかったわー……はっ、ケーマも私の事狙ってる?!」
「いや、無理矢理ってのは好みじゃないしそもそもあんな小さいのやお前は対象外だ! 俺はロリコンじゃないぞ!」
「で、でも足は評価するんでしょ? 私も、あのニンゲンの奴隷も」
「裸足でボロボロだなぁ、褐色で形がいいのにもったいない。くそう、せめて靴下を履かせてやりたい」
……できればニーソがいい。白ニーソ、黒ニーソ。いや、ニーソじゃなくて犬耳にあわせてワンコのワンポイント靴下とかでもアリか?……おい、画面にきたない山賊が映ってるぞ山賊だけ消せ。
「十分大概な気がする……」
「気にするな。まぁ寝るとしよう。……今回の生贄で得たDP、かなり使っちまったからな」
*
山賊になって、良かったこととは何か……
普通に街に入ることもできない、買い物をするにも仲介にだいぶマージンをとられる。
顔の割れていない仲間に行商人のマネ事をさせてみているが、どうにも商人に足元を見られているのか値段が高い。
鍛冶屋も使えないから武器は自分たちで素人手入れし、使い潰すまで使い切るだけだ。いつ壊れるかも分からない武器を使うのは中々に背筋が凍る思いもする。
金をモノを手に入れるのにも命がかかる。傭兵だったころより命の危険があるといっても良い。
だが、力があれば何でも奪える。
収入は安定しないが、リターンはでかいときはとことんでかい。
それに、傭兵時代だった頃には聞いたことしかなかった裏ギルドと呼ばれる集まりに参加できた。
裏ギルドの符丁をつけてる馬車は襲ってはいけない、とかいうルールはあるが、メリットも多い。
金さえあれば何でも手に入れられる。……まぁ、高いが。
そのひとつが娼館……というほどでもないスラムのテントであるが、女である。
当然街普通に入れないので、普通の娼館には行けない。だが性欲は溜まる。冒険者は男ばかりだし、女冒険者は女ってだけで注目が高く襲うのも困難になる。故に、裏ギルドの娼婦にはお世話にならざるを得ない。
山賊の親分も、そんなわけで裏ギルドの娼館に来ていた。
ロクな女が居ないくせに、値段だけは街中の高級娼館並という足元ガン見価格だ。
そんな中、金は全然ないからロクでもない中のいい女ですら買えない。
……買えるだけマシだ、と思い、山賊の親分は一番安い女を買った。
出てきたのは年齢が2桁にもなっていない亜人の子供だった。ヒューマンですらない。裏ギルドの最安娼婦に服等という上等なものはなく、奴隷の首輪がついているのみだった。
調教もされておらず、自分から何をするというわけでもない。
この程度ならせめて耳と尻尾を切り落とせば見た目はヒューマンに近づくだろうが、それすらもしていない。もっとも、わざわざ治療師に金を払ってまで亜人の奴隷に回復魔法を掛けようなどということは、よほどの酔狂者のすることだ。回復魔法をかけないなら、部位欠損は死ぬ危険がある。……死体が出てくるよりはマシか。
しかしそもそも小さすぎて入れられない。これで娼婦を名乗らせるとは笑わせてくれる。
あまりにも幼い果実だが、それでも女は女だ。触れると壊してしまいそうな華奢な腕を掴み、引き寄せる。
触り心地は悪くなかった。むしろ、若くきめ細かい肌は、かつて傭兵時代に先輩に連れられて行った高級娼館の娼婦の肌を彷彿とさせ、興奮した。
行為の後、犯罪奴隷を始め山賊の親分は奴隷を買うことにした。
裏ギルドで扱う奴隷はピンキリである。死にかけの奴隷は安く、元気な奴隷は高い。
新入りでも数をつぶしてやればある程度の冒険者を殺すことができる、できれば殺しの経験がある犯罪奴隷がいればいいが。と山賊の親分は考えていた。
そのうち子分たちに使わせる性奴隷も要るだろう。……性奴隷のほうが犯罪奴隷より高いのはなんというか、まぁ嗜好品だから仕方ない。もう少し資金に余裕があれば買おう。
山賊の親分が買える奴隷を並べてもらった。並んだ奴隷の中に娼館で買った亜人の子供が居た。これを買うのは先ほどの娼館での金が無駄になる気がしたが、その分安くしてくれるとのことだったので、買うことにした。元々捨て値に近いものだったというのもある。というか、ほとんどタダで、他の奴隷をかうおまけに持っていけ、といったレベルだった。処分寸前だったのか、固い黒パン10個くらいの値段しかついていなかった。
そんな無料に近い子供奴隷の撫で心地……高級娼婦を思い起こさせる肌触りを思い出し、山賊の親分は得をした、と考えた。
自分のものになるのであれば、裂けたり壊したりして罰則言い値買取り、という心配をする必要はないし、耳や尻尾を切り落としたり使えない穴をナイフで切って拡げるのも自己責任だ。
「……もう少し育つまでは耳と尻尾は切り落とさないでおくか。せっかく買ったのにすぐ死んだら勿体ない。せめて元はとりたいしな」
歩く速度が遅くまどろっこしい亜人の子供奴隷を抱え、山賊の親分は拠点としている『ただの洞窟』へ向かう。
途中、二人組の冒険者を見かけたので後ろから襲い掛かり、生け捕りにした。
ちょうどよかった。これで奴隷たちを入れる部屋が増えるかもしれない。
「ツイてるな、俺は」
くっくっ、と山賊の親分は笑った。
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