East i:北海道新幹線の新青森−新函館北斗を初走行

毎日新聞 2015年06月11日 17時03分(最終更新 06月11日 18時20分)

北海道新幹線の新青森−新函館北斗間を初走行した、JR東日本の検査用車両「East i(イーストアイ)」=北海道北斗市で2015年6月11日午前2時55分ごろ、遠藤修平撮影
北海道新幹線の新青森−新函館北斗間を初走行した、JR東日本の検査用車両「East i(イーストアイ)」=北海道北斗市で2015年6月11日午前2時55分ごろ、遠藤修平撮影

 ◇JR東日本の検査用車両 沿線にファンがズラリ

 JR東日本の検査用車両「East i(イーストアイ)」が11日未明、北海道新幹線の新青森−新函館北斗間を初走行した。珍しい列車を一目見ようと、沿線ではカメラを手にしたファンが待ち構えた。

 この車両は新幹線の線路や架線、信号設備を走行しながら検査できる。白い車体に赤の帯のデザインで、検査機器のために営業用車両より側面の窓が少ないのが特徴だ。ダイヤは非公表で、出合うのは難しい。

 この日は建設を担当した鉄道・運輸機構が、JR北海道に施設を引き渡す前の最終確認のため検査を実施。午前1時10分ごろに青森県内の車両基地を出発し、レール幅や高低差のデータを収集した。青函トンネルを通り抜けて新函館北斗駅には同2時55分ごろに姿を現し、同4時20分に検査を終えた。

 JR北は新幹線開業後も自前で検査車両を持たず、JR東からイーストアイを借りて月に3回程度検査する。函館総合車両基地(七飯町)と青森県内に職員を配置し、人による検査も実施する。

 函館側には、保線を担当する17人体制の「函館新幹線準備工務所」と電気設備の保守を担当する5人体制の「函館新幹線準備電気所」を既に設置。青森県内には「工務所」「電気所」の出先機関として「奥津軽管理室」「奥津軽派出所」があり、各5人を置いた。

 これらの職員は現在、鉄道・運輸機構と協力して設備の点検や開業に向けた訓練をしている。開業後の作業内容や人員体制は「検討中」(JR北広報部)。JR東は毎日の始発列車前に全区間で線路や架線の点検をしており、北海道新幹線でも同様の点検を行うとみられる。【遠藤修平、小川祐希】

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