プーチン大統領:「G7はクラブ、一切関係ない」決別姿勢

毎日新聞 2015年06月10日 23時43分(最終更新 06月10日 23時45分)

 【ローマ福島良典】ロシアのプーチン大統領は10日、ウクライナ問題を巡る対立からロシアを排除した主要7カ国首脳会議(G7サミット)について「一切関係はない」と述べ、決別姿勢を鮮明にした。国際社会の多極化を踏まえ、主要20カ国・地域(G20)や新興5カ国(BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の枠組みを重視する考えを示した。イタリア北部ミラノで同国のレンツィ首相と会談した後、共同記者会見で語った。

 ドイツで7、8の両日開かれたG7サミットは首脳宣言で、ロシアによる昨年3月のウクライナ南部クリミア半島の編入を「違法」と非難。ウクライナ東部の紛争で「すべての当事者」に停戦合意の順守を呼びかけ、状況次第で追加制裁を実施する可能性を示した。

 プーチン氏は「ロシアが異なった視点を提供することができたG8(主要8カ国)は有意義だったが、(ロシア抜きの)G7は(国際)機関ではなく、利益でつながった国々のクラブにすぎない」と指摘。インドや中国などを含むG20や、BRICS、上海協力機構(SCO)の方が「国際関係の発展には有益だ」と述べた。

 イタリアはロシアの主要貿易相手国だが、制裁の影響で貿易額が落ち込んでいる。プーチン氏は「イタリア企業は制裁で10億ユーロ(約1400億円)もの契約を失っている」「G7のメンバー国は(ロシアとの)2カ国関係を活発化することができる」と欧米の結束に揺さぶりをかけ、制裁はいずれ解除・緩和されるとの強気の見通しを示した。

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