「左寄り」教科書修正勧告で損賠訴訟、国相手は敗訴

 2008年、金星出版社の韓国史教科書を執筆し、「左寄り」だとして論議を呼んだ、韓国教員大学の金漢宗(キム・ハンジョン)教授など5人が「著作権や人格権を侵害された」と主張し、1人当たり5000万ウォン(約560万円)の損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁民事13部(キム・ヒョンリョン裁判長)は7日、原告の訴えを退ける判決を下した。

 地裁は判決文で「政府の修正勧告は、北朝鮮の体制による政治的な主張をそのまま紹介した教科書に対し、補完や客観性の維持を求めたもので、政府の裁量権の範囲内の措置だ」と述べた。

 教育科学技術部(省に相当)は、2003年3月に初版が出た金星出版社の『韓国近現代史』について、「左寄り」だとして論議が巻き起こったのを受け、08年に同社に対し55項目の修正を勧告した。これに対し金教授らは「金星出版社は自分たちの反対にもかかわらず、教科書を修正・補完した」として、修正・補完の手続きの取り消しを求める訴訟を起こし、勝訴したため、次に政府などを相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こしていた。

全洙竜(チョン・スヨン)記者
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