生活苦のため詐欺融資グループから金を借り、中国との密貿易をしようとしたり、脱北者を北朝鮮に連れ戻そうとしたりした罪で起訴された脱北者の男(59)に対する上告審で、大法院(日本の最高裁判所に相当)第3部(閔日栄〈ミン・イルヨン〉裁判官)は7日、懲役5年、公民権停止5年とした二審判決を支持する判決を下した。男は2006年、北朝鮮で韓国ドラマ『がんばれ!クムスン』をひそかに見ていたとして摘発され、検察所に収監された。そこで自分に対し、16年の労働教化刑が下されるという話を聞き、豆満江を越えて北朝鮮を脱出、07年に韓国入りを果たした。ところが男は、脱北前の03年と06年に、北朝鮮の国家安全保衛部(情報機関・秘密警察)の指令を受け、脱北者Aさんの北朝鮮にいた娘を人質にして、Aさんを北朝鮮に連れ戻していたことが判明し、13年に起訴された。