韓国での中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染拡大に、海外も大きな関心を寄せている。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)は5日(現地時間)「MERSウイルスのリスク評価」と題する報告書で「韓国の医療機関を訪問した呼吸器疾患の患者はMERSウイルスの検査を受けることが望ましい」と勧告した。
海外メディアも、韓国でのMERSの広がりを連日大きく報じている。
米紙ニューヨーク・タイムズは4日付で「韓国社会でMERSに対する恐怖が広がっている。朴槿恵(パク・クンヘ)政権は関連情報を適期に公表せず、国民を危険にさらしている」と報じた。前日の3日にも「緊急事態に対する政府の未熟な対応により、セウォル号沈没事故以降の国民の不信感がさらに深まっている」と批判した。
米インターネット新聞のハフィントンポストは、国内でエボラ出血熱の感染者が発生した際に感染者の足取りや発生した病院を詳細に公開した米国政府と、病院の公開が遅れた韓国政府の対応を対比させ「韓国の対応は無意味な秘密主義」と皮肉った。
地理的に近く、近ごろ韓国との関係が大きく悪化している日本では、特に批判の声が強い。共同通信は「対応が後手に回った」「情報不足」「初動に不満も」といった言葉で韓国政府の対応を非難した。
また、AP通信は「MERS感染を恐れる韓国ではマスクが飛ぶように売れており、約900校の学校が休校するなど、狂乱的なムードだ」と伝え、MERSの広がりによる社会の混乱を批判した。
一方、世界保健機関(WHO)は7日、調査のため韓国に9日に専門家を派遣する予定だと発表した。調査チームは2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した中国へ派遣された中国・香港の専門家らで構成され、韓国保健当局と共同でMERSの感染経路を調査し、対策を協議する見通しだ。