今大会のために製作した「DRCヒューボ2」は、ひざの部分と足先に車輪が付いている。高速で平地を移動する際にはひざを折った姿勢で車輪で動く。作業をしたり、階段を登ったりする際には二本足で立ち上がって歩く。いわば「変身ロボット」だ。DRCに参加したロボットのうち、用途によって作動方式も変えるのはヒューボのみだった。ヒューボはまるで人が中に入っているかのように、8つの課題を安定的かつ完璧にやり遂げた。
3位に入った「タルタン・レスキュー」を製作した米カーネギーメロン大のトニー・スタンツ教授は「ヒューボが周辺環境によって柔軟に対応する様子が印象的だった。参加チームの中で最も災害現場に適したロボットを実現した」と評価した。マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究員は「日本だけがライバルだと思っていたが、これからは韓国も対等に見なければならなそうだ」と話した。
今大会決勝に進出した24チームで8チームが韓国製ロボットの本体や部品を使用した点も意味がある。ドイツ・ボン大学のチームは韓国のロボット企業「ロボティス」が開発したアクチュエーター(駆動装置)を採用し、4位に入った。米ネバダ大ラスベガス校のチームもヒューボに独自のソフトウエアを採用し、8位に食い込んだ。今大会で6チームにロボットを供給したロボティスのキム・ビョンス代表は「歴史が長い産業用ロボット市場は日本が掌握しているが、技術発展が著しい人間型ロボットや教育用ロボットの分野は韓国が先取り可能だ」と指摘した。
短期的な成果に執着すべきではないとの意見もある。著名なロボット専門家でカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のデニス・ホン教授は「ロボットが実質的に人の役に立つ未来産業として成長するためには、たゆまぬ研究と投資が必要だという点を忘れてはならない」と呼びかけた。