韓国:尹外相が訪日へ 国交正常化50年で調整
毎日新聞 2015年06月10日 11時32分(最終更新 06月10日 17時53分)
【ソウル大貫智子】韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が22日の日韓国交正常化50周年に合わせて訪日し、岸田文雄外相と会談する方向で調整していることが10日、分かった。複数の日韓外交筋が明らかにした。尹外相の訪日は2013年2月の朴槿恵(パク・クネ)政権発足後初。韓国内で日韓関係改善を求める声が強まっていることが背景にあるとみられる。
複数の外交筋によると、尹外相は22日、東京で行われる在日韓国大使館主催の50周年記念行事に出席する予定。これに合わせ21日か22日に外相会談を行う方針。尹外相の訪日は、3月に日中韓外相会談出席のため岸田外相が訪韓したのを受け、韓国側が調整を続けていた。
22日は、ソウルでも在韓日本大使館主催の行事が行われ、日本側は尹外相と同格の閣僚級や元首相らの派遣を調整している。両行事には、東京では安倍晋三首相、ソウルでは朴大統領の出席も検討しているが、ビデオメッセージなどで代替する可能性もある。
韓国では、4月の安倍首相の訪米や日中関係改善の動きを受け、柔軟な対日外交が必要との見方が強まった。朴大統領は5月、歴史問題とは切り分け、安保や経済などでは協力を深めていく方針を表明していた。
◇朴大統領の訪米延期
一方、韓国青瓦台(大統領府)は10日、韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、14日から予定していた朴大統領の訪米延期を発表した。MERSへの対応を巡り韓国政府への批判が高まっており、尹外相の訪日も流動的な側面がある。尹外相は13年4月、麻生太郎副総理兼財務相らが靖国神社に参拝したのに反発、訪日を直前にキャンセルした経緯がある。