中国税関総署が8日発表した5月の貿易統計によると、輸出と輸入を合わせた貿易総額は前年同月比9・3%減と3カ月連続で前年同月を割り込んだ。輸出と輸入が共に振るわず、中国経済は引き続き下振れ圧力に直面している。
中国の輸出型製造業は賃金上昇などで生産コストがかさむようになり、国際競争力が落ちている。また不動産不況を背景に内需が振るわないため、輸入も低迷している。
中国政府は貿易総額を年間で6%増とする目標だが、達成は危ぶまれる状況だ。5月の輸出は2・5%減と、4月の6・4%減と比べて減少幅が縮小。ただ輸入は17・6%減で、4月の16・2%減と比べ拡大した。
中国の1〜3月期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比7・0%と、6年ぶりの低水準に落ち込んだ。政府は景気刺激策として、輸出型製造業の強化や、国内消費の増加を目指している。(共同)