「神崎ホフマン窯」修復完了 京都・舞鶴の近代化遺産
京都府舞鶴市西神崎の国登録有形文化財・近代化産業遺産「神崎ホフマン窯」が修復工事を終え、管理する公益財団法人・舞鶴文化教育財団(同市森町)が一般公開を検討している。高橋照理事長(86)は「多くの人に見てもらえるようしたい」といい、21日に見学会が行われる。
窯は由良川河口右岸に建設、1897年から操業した。当初は登り窯だったが、舞鶴鎮守府や海軍工廠(こうしょう)への納入などレンガ需要増を受け、大正時代末に炉室が輪状に並んで大量生産できるホフマン式輪窯(縦45メートル、横9メートル)に改造された。
1958年ごろに操業終了、民間会社が保有していたが、放置され損傷が進んだ。購入した高橋理事長が財団による修復と管理を決意。研究者が調査して計画をまとめ、2012年から工事に着手。2年かけてレンガを組み直して固定、崩れた場所に立ち入って内部を見ることができるようにした。現在、来訪者のための施設整備を検討している。
ホフマン窯はかつて国内に50基以上あったが、現在は4基しか残っていない。高橋理事長は「歴史を伝える使命を感じている。若狭湾国定公園の中の風光明媚(めいび)な地にあり、公開に向けて知恵をいただきたい」と話す。
見学会は、まいづる広域観光公社などが「まいづるの歴史遺産を訪ねるシリーズ」の一つとして実施。21日午前10時35分に京都丹後鉄道の丹後神崎駅集合。1500円。14日までに申し込む(10人未満の場合は実施しない)。同公社TEL0773(77)5400。
【 2015年06月10日 17時00分 】