京都府・宮津市にある白糸酒造。日本三景のひとつ、天橋立(あまのはしだて)のすぐそばで明和四年(1767年)の創業以来、248年を経た老舗企業だ。その白糸酒造が、アニメとコラボした商品を続々と発売して、売り上げを急上昇させている。なかでもヒットしたのがアニメ制作会社サンライズと組んだ日本酒「最低野郎(ボトムズと読む)」だ。しかもこの企画を手がけたのは女性だという。
コラボ商品は、コアなファンならば多少の涙は呑んでも買ってしまうもの。その分、ファン心にどれだけ誠実か、が試されると思う。果たして、この商品はどうなのか? 初放映以来のファンとしては「そもそも、ボトムズって男心のナルシシズムがないと分かりにくいんじゃない?」という、ひねくれた気持ちもある。ちょっと斜に構えて、コラボ企画の推進者、白糸酒造取締役の宮﨑美帆さんに会いに行きました。
よろしくお願いします。どうしてもこういうコラボ商品を見ると自分は「ザクとうふ」(相模屋食料)を思い返してしまうのですが。
宮﨑:3年くらい前ですよね。実は私たちが「最低野郎」につながる企画を始めたのが、ちょうどそのころで、「ザクとうふ、すごいなあ」と思って、うらやましく見ていた時期なんです。
そうでしたか(笑)。そもそも、女性の方が「装甲騎兵ボトムズ」という男臭い商品とのコラボを考えられただけでも驚きなのですが、どういう経緯で?
宮﨑:「ボトムズ」を作られた(アニメ制作会社の)サンライズさんの作品というのは、もう本当に幼いときから一番大好きな作品で、自分の中の頂点といいますか、「ここにいけたらすごいな」という目標だったんですね。
行けたら、というのは。
宮﨑:子供の頃は、具体的にどういう方法があるのか分からなかったんですが、だんだんとアニメの関係の仕事、たとえば制作スタジオとか、声優さんという方法があるんだ、と見えてきまして、実際にスタジオに勤めたり、事務所に入ったりと、サンライズさんに近づくためにはどうしたらいいか、ずっと考えて生きていたんです。
なるほど、サンライズの事業分野に「行けたら」ということですか…え、それで本当に声優になろうとしたんですか?