産経ニュース

【ビジネス解読】ウォン高・韓国にジワリ迫る「輸出氷河期」 23万人雇用消失も…輸出依存のツケ重く

ニュース プレミアム

記事詳細

更新

【ビジネス解読】
ウォン高・韓国にジワリ迫る「輸出氷河期」 23万人雇用消失も…輸出依存のツケ重く

輸出に依存し過ぎる韓国経済の構造改革は待ったなしの状態だ=3月、ソウル市内

米国利上げは「時限爆弾」

 韓国企業の苦境をよそに、米国の景気指標の改善を受け、イエレンFRB議長の「年内利上げ」発言が改めて意識されて円相場が約12年半ぶりに1ドル=125円台を付けた今月2日。ウォン高は一段と進行し100円=892ウォンと、約7年3カ月ぶりのウォン高円安を記録している。実際に米国が利上げすれば、一段とウォン高円安の圧力は高まる公算が大きく、韓国経済にとって、イエレン議長の利上げ判断はまさに「時限爆弾」の様相だ。

 では、韓国は「ウォン高不況」の危機に何か打つ手はあるだろうか。

 もっとも直接的な対応策はウォン安誘導の為替介入だ。だが、韓国はこれまでも輸出産業保護のための為替操作を繰り返していたとされており、米財務省は4月に議会に提出した最新の為替報告書で、「為替介入をやめてウォン相場の上昇を容認するよう韓国に圧力を強めている」と言及している。韓国の中央銀行が政策金利を断続的に引き下げる手もあるが、日銀や欧州中央銀行が金利引き下げに勝る通貨安効果がある量的金融緩和を実施している中では、“焼け石に水”。すでに試みた小幅な利下げは効果がなかった。

関連ニュース

【経済インサイド】孫正義氏に後継指名されたアローラ氏 米グーグルCBOの座を蹴ってソフトバンクに人生を賭けたその理由は?

「ニュース」のランキング