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【ビジネス解読】ウォン高・韓国にジワリ迫る「輸出氷河期」 23万人雇用消失も…輸出依存のツケ重く

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【ビジネス解読】
ウォン高・韓国にジワリ迫る「輸出氷河期」 23万人雇用消失も…輸出依存のツケ重く

輸出に依存し過ぎる韓国経済の構造改革は待ったなしの状態だ=3月、ソウル市内

 もちろん、為替相場の急変動は日本企業にとっても無縁ではない。トヨタ自動車は2016年3月期に新興国通貨の下落影響などで為替が450億円の減益要因(15年3月期は2800億円の増益要因)になると見込んでいる。ただ、韓国企業は自動車や電機など主要な輸出産業で日本やドイツの企業と競合している。円安ユーロ安を価格競争の追い風にできる日欧の輸出企業に比べると、まさにトリプルパンチ(円安、ユーロ安、新興国通貨安の3重苦)を受ける構図で、韓国勢のダメージは大きい。

 そもそも韓国は国内総生産(GDP)に占める輸出の割合が約45%と、15%程度の日本や世界平均の約25%に比べて突出して高い輸出偏重の経済構造にある。しかもリーマン後の急激な円高を経験し、為替変動への耐久力を高めた日本企業に対し、韓国企業の為替リスク対策は遅れている。聯合ニュース(電子版)の報道によると、日本企業と競合する韓国の輸出企業約300社を対象とする大韓商工会議所の調査では、約7割が「円安リスクへの対策を用意してない」と回答。韓国貿易協会が会員企業に実施した調査でも、5月に平均100円=900ウォンと、前年に比べて約10%上昇した円安ウォン高水準について、回答企業の約7割が「日本製品に対する競争力を維持できない」と悲鳴を上げた。

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