米シェールオイルブームが急減速へ-OPECは減産拒否
2015/06/09 08:35 JST
(ブルームバーグ):米国を世界最大の燃料輸出国に変え、ガソリン小売価格の1ガロン=3ドルへの値下がりをもたらしたシェールオイルブームが急速にしぼみつつある。
米エネルギー情報局(EIA)の推計によれば、ノースダコタ州バッケンやテキサス州イーグルフォードなどのシェール層の原油生産は今月、1.3%減少し日量558万バレルとなる見通しだ。EIAの8日の発表によれば、産油量は7月にさらに落ち込み同549万バレルになると予想されている。
石油輸出国機構(OPEC)が減産を拒む中、米国産シェールオイルは世界の供給過剰を緩和し需給を再び均衡させるという圧力にさらされている。昨年の原油価格下落を受け、シェールオイル生産で米最大手のEOGリソーシズ やヘッジファンド運用者のアンドルー・ホール氏、英スタンダードチャータード などの銀行も米国の原油生産が減少すると予測している。
エネルギーコンサルタント会社WTRGエコノミクスのジェームズ・ウィリアムズ社長は8日、アーカンソー州からの電話インタビューで「リグ(掘削装置)稼働数が今年に入って57%減少しているため生産は落ち込むはずだ」と指摘。「ただ、それに反して、今も利用されているリグは効率性が高く、掘削地域は他地域より生産量が多い。従って、それが生産の減少を遅らせており、正確にいつ生産が落ち込むのかという点について市場関係者は神経質になっている」と述べた。
米国の掘削会社が供給抑制に向けて十分な数のリグの稼働を停止したとの観測が広がる中、原油先物価格は3月18日以降、約30%上昇している。
原題:America’s Shale Oil Boom Grinding to Halt as U.S. Forecasts Drop(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:サンフランシスコ Lynn Doan ldoan6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: David Marino dmarino4@bloomberg.net Stephen Cunningham
更新日時: 2015/06/09 08:35 JST