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 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が8日、理事会後の記者会見で、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場について「多くの部分で順調に進んでいるのに、新国立競技場の議論が影を落としている。早く問題を解決して欲しい」と苦言を呈した。新国立競技場は、建設費用の増大を巡って計画が遅れている。

 8日の理事会では、20年東京五輪の全28競技のうち26競技の会場計画を承認。競技団体との交渉が順調に進む一方、IOCが気をもむのが、新国立競技場だ。バッハ会長は「これは組織委ではなく、日本政府の問題だ」とした上で、「いずれ政府が解決してくれると思う。我々は建設の中身の問題ではなく、意思決定のスピードについて心配している」と話した。

 理事会の席上、バッハ会長は大会組織委の森喜朗会長に対し、IOCの懸念を政府に伝え、組織委も政府と東京都の関係改善に協力するよう頼んだ。(ローザンヌ=河野正樹)