…思ったよりも批判が少なくて不思議です…。
ものすごい勢いで批判されると思って書いた前回のブログですが、内心「そうそう!」と思っていた人が少なくなかったらしく、意外と同意するご意見もたくさんいただきました。

そうなの?

皆さんもアレですか?本当はアマゾネスな昔のお姉さま方を「めんどくせーなー」と思いながら、ほんのちょっとでも
「え?それってちょっと違うくない?」
って言っただけで1時間半ほど一人喋りでお説教されるのが面倒くさくて、もうほったらかしにしてるアレですか?気持ちはわかります。ホント。あの人たちのエキセントリックな…(以下略)。

さて、そんな強力な討論能力(←実際には的を射てない話がほとんど)を保持する、昔のおねー様方が政府の有識者会議などでとにかくアコガレまくり、日本をそっち側にもっていきたくてたまらない国こそが

おフランス

であります。僕の前回のブログにもこのような書き込みがありました。

はいはい、おっしゃる通り、子供なんて好きじゃありませんよ。
それが別に悪いとも思ってないし。
で、そういう連中はけしからんから、バッシングして、税金も高くしろってことかな?
それにメゲて、じゃあ子供産みますってほど、ヘタレじゃありませんから、ご心配なく 笑
」(janetさん)

ご安心を。僕は、「少子化対策するのなら有効ですね」って言ってるだけで、どうせ日本では出来ないことも分かってるし、改善なんてされないことも分かってます。なので何度も言ってるわけですね。
「日本は少子化は改善されませんし、と、いう訳で景気も回復なんてしませんよ」って。janetさんはひどいことを言ってるように見えるかもしれませんけど、間違いなく正直に言ってるんです。janetさんと同じように感じてる人、めちゃ多いのが日本の現状です。

でも、少子高齢化が「国」という単位で見れば百害あって一利なしなことは人口統計学では常識中の常識です。なので、とにもかくにも、感情なしに、

とにかく少子化だけをなんとかせにゃいかんでソワール!

ってやったのがフランスです。
世界に冠たる「少子化対策に超成功した先進諸国の代表例」であるおフランスですが、お堅い話が多いので、僕のブログでは、すっ飛ばして話を進めようと思ってたんですけど、意外と「フランスの少子化対策、知りたい!」「教えてほしい」というコメントが多かったので書きます。

結論から先に言っておくと、当然このフランス方式が、僕の考える「有効な少子化対策」の3点のうちの1つなんですが、どーせ無理なので、日本は「少子化対策は無理」って言ってるわけです。話を進めますね。

「N分N乗方式」と「パックス」

フランスの少子化対策って言えば、「パックス」と「N分N乗方式」になります。「パックス」は後回しにするとして、「N分N乗方式」ってのは、一言で言うと、

子供が多かったらめっちゃ儲かりまっせ方式

と思っておいてください。テレビ朝日が好きな人にわかりやすく言うと、ビッグダディと美奈子さんが最高に幸せになるという社会システムです。

フランスってね、結構な昔に少子高齢化がやばい状態になるんじゃないかって言われてたわけですね。今の日本みたいにそれをほったらかしになんてしなかったんです。で、かれこれ100年以上、少子化に取り組んでるんですけど(法が整備され始めたのは80年ほど前ですけどね)、その基盤が…

子供って、国にとっては重要な財産じゃん?じゃあ、その財産を生み、育ててくれる親はアホみたいに優遇されるようにしようでボンジュール!

という政策だったです。
一人産んでも、たいしたことありませんぜって(←ここがミソ)。
でも、二人産んでくれるんなら、あんた、かなりの優遇しますぜって。
おいおい、3人も産んでくれるんですか?マジすか?じゃあ、所得税は減税しまくりますし、公共の交通機関(電車とかね)はめっちゃ安い金額で乗りまくれるパスも出しますし、いや、まだまだ、それじゃあ足りないっすね!年金も加算してやりますよ!子供さえ産みゃあ、老後も安心だってばよ!もってけ!コノヤロー!

…みたいなのが「N分N乗方式」です(←雑すぎる説明なので知りたい人は別で調べてね)

テレ朝に戻せば、ビッグダディと美奈子さんはフランス行ったら超セレブって話です。さらに他のシステムも、ものすごい勢いで整えまくったので、完全にバカにした感じで書いてますけど、ある調査ではフランス国民の実に98%ほどの人に支持されている社会システムです。
あ、ほかに整えたののですか?
3歳になったらみんな保育所というか、事実上の教育・子育て機関に預けられるようになってるんです。フランス国民の100%近くが3歳になったら日本でいうところの保育園のような場所に行けます。で、公立であれば、そのまま大学まで

まったく金なんてかかりません。フランスでは「お金がかかるから子供を産むのはちょっと…」という価値観は皆無なのです。これは日本とは全然違います。その上、子供を産んでから、そのまま仕事にちゃんと復帰できるシステムも超充実。
元いた会社に戻れるのは当たり前。週何時間働けるかも当然選べます。
3歳まではどうするのって話もありますが、「認定保育ママ」ってのがありましてね、要はベビーシッターさんですが、これをものすごく気軽に利用できるようになってます。当然ですが、本人の負担は2人目3人目の子供でどんどん軽くなります。国から補助がちゃんと出るからです。

と、いう訳で「どんどん女性も働くべきだー!」って言ってる昔のおねー様たち、このおフランスの社会システムに超憧れているわけです。

ちなみに、このフランスの少子化対策、システム自体は超簡単だし、ほかのヨーロッパ諸国でもどんどん取り入れました。デンマークとかもね、で、取り組んできた国のほとんどで見事な結果を出し始めているので、極めて実用的ななシステムと言えます。名付けて、

フランス式、子供産みさえすれば人生バラ色システム。

僕も当然、このシステムを日本で導入すれば、「少子化」対策にはなるって思っています。そう。少子化対策には…ね。

でも無理です。と、言うか、それ以前に、僕はこのシステムをあんまり好きじゃありません。

順を追って説明しますね。まず、お金の面で言うと、日本ではこれらのシステムは導入不可能です。まず単純に、金が途方もなくかかりすぎます。僕は経済学者さんではないので正確な数字までは出せませんが、日本でこのフランスの「子供でバラ色システム」を導入した場合、おそらく、すでに完全に破たんしている日本の経済状況はもはやジ・エンドになります。

もともと、40兆円しか入ってこない国よ?
なのに、毎年90兆円とか使っちゃってんですよ?

この差額、借金よ?どんな国だよって(怒)。その上に、このフランスのシステムを導入出来る余地なんて1円もないです。これを導入すべきとか言ってるおねーさん方、金、どうすんだよって話。絵に描いた餅もいいところです。本来はフランスのように、ここまでの経済状況になる前に手を打つべきでした。でも、もう今の日本では残念ながら手遅れだと言わざるを得ません。それくらい、金のかかるシステムなのです。

そして、もう一つは…「パックス」の導入によって、フランスや、ほかのヨーロッパ諸外国がどうなったのかって話です。
アマゾネス軍団って、ここを完全に俎上に挙げてないんです。おフランスに憧れてばかりいるからまずい状態をしっかり論じられていないんです。

「事実婚」と「婚外子率」の驚愕

この「子供たくさん産めばそれだけで金がガンガン儲かりまっせ方式」はフランスでは1932年から法の整備が進められ始め、今や十分にフランス国民の支持を得られるところまで来ました。しかし、改善された少子化の裏で、実はグラフや表にはあまり表れないある問題も起き始めていました。

僕がアメリカで出会ったフランス人の友人に聞いた話ですが…

フランス人はね、子供をあまり愛さないんだ。それをいやだと思ったことはないけれど、アメリカに来て、アメリカ人の子供の愛し方を見てクレイジーだと思ったよ」

フランスでは子供は3歳から完全に預けられます。大学まで金はかかりません。単純に子供を産むことこそが…「節税対策」だから産んでるんです。本当は子育てなんて面倒くさいのに。本当は子供なんて、ほったらかして遊びたいのに、年金をたくさん欲しいから子供だけ産んどくんです。
その結果、フランスの子供の自立時期は諸外国と比べてもかなり早いそうです。
親から愛情をそこまで受けずに育ってきたフランス人は自分の子供にも愛情をそこまで注がなくなり始めました。

そこに追い打ちをかけてしまったのが「パックス(事実婚)制度」の導入でした。



パックスってのは「Pacte civil de solidarit」の略で、日本語では、これっていう正確な略がないんですよね。民事連帯契約とか連帯市民協約とかいろいろ言われてます。ま、パックスでいいです。1999年にもともとは…

ゲイカップルを守ろうと作られたやつです。

パックスは知らない人も多いけれど、「事実婚」って言葉は知ってるでしょ?
フランスでは、ゲイのカップルが日本よりもずいぶん多かったんですよね。それで、彼らをもっと理解するためにも整備された法律で…まぁ…なんと言えばいいか…日本語で言うところの…

同棲以上、結婚未満

的な?そんな感じのやつです。紙ひとつで事実上の結婚状態の権利も得られるし、相手に腹が立ったら同意なしに、片方が紙一枚を提出しただけで、その関係を解消できちゃったりします。要は「お手軽結婚」ですね。

これは大歓迎されました。ゲイカップルの皆さんの希望の星でした。しかし…これは思わぬ波及をしていきます。

もともと、フランスでは先述のように、「家族を愛する」「子供を大切にする」という価値観ではなく、単純に「節税対策」「年金対策」で子供を産みまくって、親に愛されてこなかった子供たちがまた子供を「節税対策で産んで」が繰り返されていたために…

通常カップルがこのパックス制度を使いまくってしまったのです。

現在の、フランスの「婚外子」、つまり、結婚してない男女の間に生まれた子供の割合って知ってます?何%くらいだと思いますか?
日本では、当然、ほとんどの子供は結婚している両親から生まれます(婚外子率はわずか2%ほどですかね)。そうでない子供たちもいますが、基本は結婚してから生まれるもんです。それによる弊害はあるにはあるけれど…。

フランスでは、結婚しないまま子供だけ産んだ…要は

・取りあえず節税対策で産んだ
・取りあえず、年金が欲しいから産んだ
・取りあえず、目の前の相手と盛り上がって避妊しなかったから産んだ

という子供たちの割合は1980年に11%ほどだったのが2008年に…

52.6%まで急増したのです!

表向きは「自由な結婚形態の推進!」「ゲイカップルに光を!」「女性に多様な価値観を♪」なんていいことばかり言われて始まったパックスは、逆の側面から見ると

子供よりも自分!
家庭なんかよりも自分!
我慢なんてしません、自由でいいんです!

というフランスの若者たちにあまりにもピッタリと当てはまってしまったんです。要はそういった価値観をさらに甘やかしただけだったのです。この様子を見て、世界はフランス人のことを
「恋愛至上主義」
と呼ぶことが少なくありません。皆さんも聞いたことあるでしょ?

子供のことは嫌い!
恋愛してなきゃ人生、意味がない!

分からなくはないし、人様の国の文化を全部否定するつもりは毛頭ないけれど、フランスの現状を取材すると、日本語で言えばほとんど…一夫一妻どころか…「多夫多妻」ともいえる国が出来上がっています。要はやりたい放題ね。その結果…

子供の数は確かにものすごく多くなったんですが、避妊せずにやりまくった結果なだけで、正直、あれだけ子供が多いのに、経済、全然うまくいってません(ま、これ以上知りたい人は調べてみてね)。

事実、日本に比較的近い価値観と道徳観を持つといわれるドイツで、フランス式の少子化対策を導入もしてみたんですが、見事に効果が表れませんでした。

僕、国民性ってそこそこ大事だと思ってます。

アマゾネスの昔のおねーさん方って、こんなおフランスが大好きで、会議室のペーパーの上で徹底的に
「日本もこうあるべきぃぃぃ!」
「フランスではこんなにも働く女性を理解していてぇぇぇ!」
とか叫んでるんですが、一つ聞きたいんだが

あんたら、マジでフランスに取材に行ったんだろうな?1年2年単位でいい面も悪い面も取材したんだろうな?

頼むから有識者会議に出てるおばさんども、答えてくれ。言っとくが、フランスの家族観、そんな褒められたもんじゃないぞ?いたるとことろで褒めちぎってやがるが、本当に実情、そこまで知ってんだろうな?女性の社会進出が素晴らしくて、フランスがその成功例だというんなら、なんでフランスって、あんなに経済状況がダメダメなんだ?

僕は家族を大事にしない国、人に感謝をしない国なんて発展はしないと思っています。有識者会議の「エライ」方々、一度、会議室にフランス人100人を呼んで一つだけ聞いてみろ。

「子供、好きですか?」

って。多分、驚愕の答えが返ってくるさ。
(答えだけ言っときますと、フランス人、マジで考えられないほど子供が嫌いな人が多いです。まず好きなのは自分と恋愛です。日本人ってそうなりたいのか?)




よく有識者会議やマスコミでで出される「少子化対策に成功した国、フランスの例」ですが、N分N乗方式に関しては、僕も日本では効果は出せると思います。金がないので無理ってだけで。
パックスに関しては、ドイツ同様に、ほぼ効果は見込めないと思っています。単なるヤリマンとヤリチンを増やすだけ。多少一時的に子供が増えても、悪影響の方がよっぽど多くなると思う。

これが、僕が「日本では少子化対策なんて無理です」と断言する三点のうちの二点目の理由です。