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北海道の化石、新成果相次ぐ 豊かな生態系映す

2015/6/8 13:20
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 巨大なイカやタコ、ずんぐり体形のゾウの親戚――。北海道でかつて見つかった古生物の化石の研究が進み、新たな成果が相次いで発表されている。豊かな生態系をうかがわせる内容で、貴重な化石の発見地として北海道の存在感が増しそうだ。

 イカやタコの化石はいずれも下顎で、羽幌町の白亜紀後期約8500万~8千万年前の地層から見つかっていた。クビナガリュウやアンモナイトが海にいた時代だ。

 3月5日に発表したのは北九州市立自然史・歴史博物館の御前明洋学芸員(35)ら。現生種の下顎と大きさを比べた結果、推定全長はイカが10~12メートル、タコが2.4メートルと判明した。イカの化石は2012年、タコは1978年に採れた岩石から11年に見つかっていた。

 羽幌町では、約2400万~2100万年前の地層からゾウやジュゴンの親戚で、1200万年前に絶滅した哺乳類パレオパラドキシアの化石も見つかった。世界最古で、新種かもしれないという。

 6600万年前の隕石(いんせき)衝突をきっかけに恐竜など多くの生物が絶滅した。中生代は白亜紀で幕を閉じ、今も続く新生代が始まった。パレオパラドキシアはこの時代の一時期に北太平洋沿岸で繁栄した。

 3月22日に研究成果を発表したのは岐阜県博物館(関市)の河部壮一郎学芸員(29)と東京大大学院生の松井久美子さん(26)。化石は河部さんが10年、右上腕骨と肩甲骨、肋骨が関節でつながった状態で見つけた。推定体長は約1.5メートル。

 羽幌町から約130キロ南の当別町。約1千万~950万年前の地層で77年に見つかった化石はセイウチの新種と分かった。国立科学博物館の甲能直樹研究主幹(53)らが頭骨を調べた成果で、3月30日に町役場で発表した。体長約3メートル、体重は400キロ~475キロと推定される。牙は長さ約4センチ。現生のセイウチのような長い牙は持っていない。

 北海道で化石の発見が相次ぐ理由について、甲能さんは「古い地層が地表に露出する崖のような場所が多い。今後も多様な生物の化石が見つかるだろう」と話している。〔共同〕

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