1年前からも、そして先週からも進歩していなかった [1st15節甲府戦レビュー] 藤井雅彦 -1,149文字-
おそらくはとても相性の悪い相手なのだろう。昨年は開幕から3連勝でアウェイのヴァンフォーレ甲府戦に臨み、この地で連勝がストップした。引いて守る相手を崩せず、少ないチャンスをモノにされた。1年以上経過し、甲府は監督が代わった。マリノスも監督が代わり、戦い方もメンバーも違う。それなのに試合風景はさほど変わらなかった。現場に行って試合が始まるまですっかり忘れていたが、これが甲府とマリノスのゲームであった。
すでに契約解除となった樋口靖洋監督は甲府サポーターも敵に回してしまったと聞いた。最大の理由は結果を出せなかったことに違いないが、あのメンバーですぐに結果を出すのは難しかったのだろう。そして結果が出るまでの過程を見守るサッカー文化は、あの地には存在しない。牧歌的で、たくさんの老若男女が集まるスタジアムは素晴らしいと思う。だが、サッカー偏差値は決して高くない。
これは今回初めて気づいたことだが、甲府がマイボールになると観衆の多くから大きな歓声が沸く。それが自陣であったとしても、だ。逆に守備時に声は上がらない。たしかに素人目で見たときに、サッカーで楽しいのは攻撃だろう。ボールを持って、選手が駆け上がり、ゴールネットを揺らす。彼らはそのシーンだけを期待しているのだ。誤解を恐れず言えば、どんな守備をしていてもあまり興味ないのではないか。
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