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【私説・論説室から】

中国の脅威 避ける国会

 安全保障法制の見直しをめぐる国会論戦が本格化している。だが、議論が核心に迫っているように思えない。肝心の「中国の脅威」をめぐって、政府、与野党ともに正面から議論するのを避けているように見えるのだ。

 そもそも、なぜ安保法制を見直すのか。政府は朝鮮半島危機が起きた際に邦人を輸送する米艦の防護やホルムズ海峡での機雷掃海などを具体例に挙げてきた。

 だが、はっきり言って日本海やホルムズ海峡の話は「もし危機が起きたら」という「たられば論」だ。これに対して中国の脅威は仮定の話ではない。現実である。

 中国は尖閣諸島への野心を隠さず、いま南シナ海の岩礁埋め立て・軍事基地化を急いでいる。そんな中国に対する抑止力を高めるために、米国や豪州などと連携を強化する。それが安保法制を見直す根本的な理由だ。

 だが政府、与野党はそんな核心部分に踏み込むのを避けてはいないか。なぜかといえば、政府与党は脅威と名指しして、いたずらに中国を刺激したくない。

 野党も中国を脅威と認めれば、では日本がどう対応するのか、直ちに問われる。具体的な対案がない限り、政府与党を攻め切れなくなる。そういう事情だろう。

 逃げた議論が続くから隔靴掻痒(かっかそうよう)感をぬぐえず、国民の理解も深まらないのだ。後半国会は本音の論議を望む。 (長谷川幸洋)

 

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