年金情報流出:担当係長、内規違反の疑い
毎日新聞 2015年06月08日 20時20分
日本年金機構の加入者情報流出問題で、厚生労働省は8日、外部からウイルスメールなどの不正アクセスがあれば課長や室長に報告するよう手引書に定めていたことを明らかにした。今回は5月8日にウイルス感染が確認されたが、厚労省の担当係長が上司の事業企画課長に報告したのは同25日で、内規違反の疑いがある。
民主党の会議で厚労省が説明した。事業企画課長は「係長は機構との連絡役の意識が強かったと思う」と釈明した。
これまでの厚労省の説明では、係長は8日に機構九州ブロック本部(福岡市)のパソコンのウイルス感染が確認された際、LAN(構内情報通信網)のケーブルを抜くよう指示したが、課長には報告しなかった。また、19日に機構が警視庁に相談した時も課長に報告しなかった。課長への報告は25日、塩崎恭久厚労相に情報が伝わったのは28日だった。
一方、機構や厚労省の対応を検証する第三者委員会(甲斐中辰夫委員長)が8日、初会合を開き、機構と厚労省から経緯を聞いた。今後は担当の幹部や職員への聞き取りをはじめ、内閣サイバーセキュリティセンターと共同でシステムの調査をする方針。【野倉恵、松本惇、古関俊樹】