Twitterでは散々「いやだいやだ」と言っていたので知っている人は知っていると思いますが、右の親知らずを上下いっぺんに除去しました。抜糸が終わってひと段落したのでこれまでの経緯とかいろいろ書いておきます。なお、心身ともにショックを受けています。
【教訓】
- 手術当日は使い捨てのマスクを持っていこう。
- 手術後しばらくはマスクをして寝よう。
- 手術後の食事は噛まないで食べられるレトルトの介護食などが便利。
- ウィダーインゼリーなどで栄養を取ろう。
- アイスクリームやプリン、ヨーグルトに豆腐も噛まずに食べられて良い。
- 術後の口臭ケアで歯磨きやうがいをし過ぎない。
以下役に立たない個人の日記です。
【発覚編】
なんとなく歯の調子が悪い気がして、引っ越してから行きつけの歯医者を決めてなかったのもあって早速新しい歯医者を予約して検診を行ってもらうことに。その結果、不調な歯は大丈夫と言われたのですが「親知らずがひどい生え方しているね」と衛生士さんに言われ、検診に終わらず先生の診察が入ることに。
「この生え方だととったほうがいい」という衛生士さん。レントゲンをとって様子を見ようと思っていた先生も、実際に生えている変な親知らずを見るなり「ああ、これダメな奴だ。町医者じゃなくてちゃんとした口腔外科で取ってもらわないと(意訳)」ということでレントゲンじゃなくて紹介状貰って帰ることに。先生の一瞬の判断力にひとつの絶望を感じたのでした。
【診察編】
そんなわけで紹介状を持って近くの総合病院にGOしました。現時点で親知らずによる痛みはなかったのですが、痛くなってから抜くよりマシだえいやっという感じでガクブルでレントゲンを撮ったわけです。最近のレントゲンは進化していて、顔の周りをぐるーんと回って立体的に撮ってくれるのですね。そこは少し感激。
で、下あごの両方の親知らずがボウリングのピンみたいに倒れていることが判明。「全部取ったほうがいい」という診察結果に診察室で涙目。「とりあえず頭の出ている右側を上下取りましょう。下は横倒しなのでメスで切開して取り出します」という説明を他人事のように聞いていました。「親知らずを抜いて痛い」なんて今まで他人事の世界だったのに、まさか自分に降りかかってくるなんて。同意書も「抜歯及び小手術に関する同意書」みたいに「手術」をクローズアップしてくるし、説明書に「当日は血がついてもいい服装でお越しください」とかなんか物騒なこと書いてあるし。世界は何で我を見放したのか。
【手術編】
そんで手術当日。泣きそうな顔で歯医者さんの椅子に座ったら助手っぽい人に「緊張してますか?」って、そりゃ緊張するよ。虫歯の治療と違うんだから。
それからたっぷり麻酔をされて、口の部分だけ穴の開いた布をかけられ施術スタート。今まで親知らず抜いた経験者は大体「ペンチみたいなので引っこ抜く」と聞いていたのに並んでいる道具はどう見ても物騒なメスとドリル。いや、知ってはいたけどさ、言葉にすると辛いから考えないようにしていたけど、「横倒しの親知らずは引っこ抜けないから砕いて出す」んだよね……永遠に続くんじゃねえかって思うほどの時間、脳天に響く破砕音。麻酔がかかっているから痛みはないけど、心がひたすら痛い。上の歯は普通にペンチで引っこ抜きました。そっちは普通でした。最後の方麻酔が切れ始めてちょっと痛かったのは差し引いておきます。術後すぐにロキソニンをくれたのは優しさなのでしょうか。
術後ガーゼを噛まされて会計と薬局に行くのですが、ガーゼを噛んでいるから喋れない。麻酔も少し残っているから余計喋れない。大都会の真ん中で言葉を奪われて放り出されたこのロンリネス。ここで使い捨てマスクが大活躍。麻酔のせいで口が微妙に閉じられないので(個人差があります)血混じりの唾液がだらだら出てくるのです。マスクで隠せばとりあえず平気(ということにしておく)。
とにかくズキズキ痛い。痛いって言うか、心が痛い。まだ頭の中で破砕音が鳴り響いている。この瞬間にも戦争はこの地球上で人を殺しているのだなぁとかムチャクチャなことを頭の中に並べて帰宅。抜糸は次週と言うことで恒例の「親知らず抜いた人にしかわからないあの腫れ」との戦いに突入するのです。
【ゴルフボール編】
痛い。痛い。何が痛い? 心が痛い。
帰ってきて口が開かないから飯が食えないこの状況に恐れおののくしかないのです。麻酔のせいか腫れ始めのせいか、口がほとんど開かないのに閉じるのも難しい。痛み止めのせいで直に痛くはないけれど、とにかく気持ち悪い。必死で買ってきた「やさしい献立」を頑張って流し込んで痛み止めと化膿止めを飲んでさっさと就寝。「やさしい献立」はほとんど噛まなくても食べられてよかった。さすが「やさしい献立」。相変わらず口が半開きなのでマスクをつけて寝ます。
翌日、マスクに血混じりのよだれがべったりついているのを確認して起床。そしてゴルフボールがほっぺに入ってるんじゃないかってくらいの腫れに思わず記念撮影。噂の「腫れ」は本当にひどいね。腫れた顔を見た家族曰く「顔のラインが直角になってる」だそうで、大人しくしているしかなさそうです。口の開閉もままならず、ゴルフボール初日と二日目は喋るのも大変。更に薬を飲まなきゃならんのできちんとご飯を食べなきゃいけないのですが、何せ「噛む」ことができないから流し込むようなものばっかり摂取することに。ヨーグルトさんと豆腐さんには大変お世話になりました。あとはウィダーインゼリーのような栄養補給ゼリーもいいですね。それからお茶漬けも流し込めるのでいい感じでした。
こういう時は何かをする気にもなれないのでごろごろとDVDを見ているのが一番です。そんなわけで『テキサスチェーンソービギニング』を借りてきて脳内破砕音がリピートされるという更なる悪夢に見舞われるのはご愛嬌。
【苦い汁編】
ゴルフボール期が過ぎると腫れは徐々に引いていくのですが、それと同時に傷口から変な汁が出始めます。苦いような焦げ臭いような、とにかく不快なものです。調べてみると抜歯後はケアが出来ないため細菌が繁殖したり、また傷口の治癒のために体からいろんなものが出たりでそういうことになるそうです。そして口臭もひどくなりますが、そういうものだそうで我慢するしかないです。
この辺になると口も開いて食べ物も普通に食べられるようになりますが、傷口になるべく触らないように食べ続ける必要があるので大変です。左でしか物を噛んでいない生活がしばらく続きます。でも久しぶりにふやかしてないご飯が食べられた時はちょっと感動した。人間おいしいご飯が食べられるのは幸せだよ。
【抜糸編】
ようやっと傷口も大方ふさがり抜糸の日。ちくっと糸を取り出してオシマイなのですが、まだ傷口は残っています。どうやらこの傷口が完全に塞がるまで「口臭」は続くようです。確かに傷口のケアができないから口臭が起こっているわけなのですが、あまりガシガシ傷つけると治りが遅くなると言うことで、しばらくタブレットなどで対策をするしかないようです。親知らず抜歯との戦いはこれからも続く!
そんなわけで長々と経験談を置いておきます。左の歯も年内には抜く予定なので、今回の反省をいかしてがんばってぬきたいとおもいました(涙)。