三菱重工業は8日、都内で4つのドメイン(専業領域)の戦略説明会を開いた。打ち上げ費用が既存の中小型衛星より大幅に割安な「超小型衛星」を開発するほか、アフリカ・中東地域の市場開拓に本腰を入れる方針を明らかにした。既存事業の拡大と新規分野の開拓を並行して進める。
防衛・宇宙ドメインでは、重さ100キログラム以下で、打ち上げ費用が従来の中小型衛星に比べ5分の1以下となる超小型衛星を開発する。情報収集衛星で防衛省向けの受注を狙う。従来に比べ打ち上げコストが大幅に安いため数十基を逐次軌道に投入し、リアルタイムで地上の様子を撮影できる。2015年度中に開発の基本設計を詰める。
三菱重工はロケット打ち上げ事業も手掛けており、衛星の生産から軌道投入まで自社で展開できるようになる。
発電・環境プラントを手掛けるエネルギー・環境ドメインではフランスに新会社を設立し、アフリカ・中東地域の市場開拓に本腰を入れる。同市場に適した中小型タービンなどを売り込む一方、101のグループ会社を17年度に15%削減し収益体質を改善させる。
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