PM2.5で脳萎縮や認知症、脳中風=スモッグの健康被害が明らかに―韓国メディア

配信日時:2015年6月8日(月) 18時54分
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1日、PM2.5による大気汚染が長期間続くと、人の脳が萎縮したり、認知症や脳中風になったりする可能性があることが明らかになった。写真は武漢の大気汚染。
2015年6月1日、中国網によると、韓国メディアは、石炭や自動車の排出ガスなどから大気中に放出される大量の粒子状物質(PM2.5)を原因とする大気汚染が長期にわたって継続すると、そこで生活している人の脳が萎縮したり、認知症や脳中風になったりする可能性があることが明らかになったと伝えた。

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米ボストンのベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンターの心臓血管流行病研究室とハーバードT.H.チャン・スクール・オブ・パブリック・ヘルスのエリッサ・ウィルカー研究員によるスモッグと認知症に関する研究報告書によると、大気汚染が深刻な地域で生活している人の大脳は総質量が小さく、脳中風の発病率が高いことが明らかになった。

また、大気汚染のレベルがさほど深刻でない地域であっても、長期間にわたって汚染された大気にさらされ続けた場合は大脳に悪影響が生じ、高齢者のみならず、相対的に健康な人も例外なく悪影響が生じることになると指摘されている。

1995年から開始されたこの研究は、ボストンを中心とするニューイングランド地方とニューヨークの成人943人を対象に、磁気共鳴画像装置(MRI)を使って長期的に大気汚染にさらされた人の大脳構造を分析。その結果、大脳の質量が0.32%減少(大脳が1年老化するのに匹敵する量)し、PM2.5と関連性があることが明らかになった。さらに、心臓血管の異常が発生する確率も46%高くなり、認知機能を低下させ、認知症を発症させることになるという。 

世界保健機関(WHO)は、「PM2.5は他の汚染物質と比べて人への悪影響が多い」と指摘しており、「長期間接触すると重大な疾病に罹患し、死亡する可能性もある」と警告。2012年に世界全体で370万人が大気汚染によって死亡したと予測しており、その88%を西太平洋・東南アジアの中低所得国の人が占めている。(翻訳・編集/岡田)

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