メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

06月07日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

トピックス
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

コラム【夕映え】

差別する側の「にやけ顔」

写真: 拡大

 米国の伝説的な黒人指導者の生涯を描いたスパイク・リー監督の「マルコムX」は記憶に残る映画だ。私が入社した1992年の作品で、米国史の先生が解説する上映会を取材したのを思い出す。

 黒人によるイスラム組織のスポークスマンとして活動したマルコムXは、白人社会を批判する過激な言動で注目された。組織を離れ、メッカに巡礼後、人種を超えたイスラム教徒の友愛に目覚め、新たな活動を始めようとしていた。その矢先の年、ニューヨークで暗殺された。

 映画の中で特に嫌なシーンとして覚えているのは、マルコムXが出先から自宅の妻に電話をかける場面だ。

 「君に会いたい」

 「離れていても一緒よ」

 死の危険が迫るなかでの切ない会話。だが、電話はFBIの白人捜査員に盗聴されている。彼らは冗談を言いながら、にやにやと笑い顔を浮かべる。「取るに足りない価値しか持たない連中が、何をマジな会話をしているんだ」とでも言いたげに。

 最近、同じような顔を見た。5月31日の日曜日、名古屋市の繁華街・栄で「嫌韓」を叫んだデモだ。

 「朝鮮人のいない明るい街づくりを」。差別をあおる「ヘイトスピーチ」が繰り返される。参加者の顔は、やはり、にやついている。

 映画が描いた時代から半世紀を経た今、日本で起きている現実だ。(黄論説委員)

PR情報

ここから広告です

名古屋報道センターから

身のまわりで起きたニュースや、記事へのご意見、ご感想もお寄せ下さい。メールはこちらから

朝日新聞 名古屋編集局 公式ツイッター

ここから広告です

広告終わり

ここから広告です

広告終わり

ここから広告です

広告終わり

注目コンテンツ

  • ショッピングB級グルメがソウルフード

    人気の旅めしランキング

  • ブック・アサヒ・コム読書で復習してみる「政治」

    町村信孝著「保守の論理」など

  • 【&M】どら焼きよりも「とら焼」

    渡辺いっけいの別腹

  • 【&w】素材の力を味わうフレンチ

    自然派ワインの小さなビストロ

  • Astand佐藤優と「知的体力」を強化

    読書会の内容を採録!

  • 写真

    ハフポスト日本版 東京の地名、いくつ読める?

    こんなのは常識でい!

  • 朝デジ就活ニュース

  • 転職情報 朝日求人ウェブ

  • 企業ITの活用事例や解説資料を無料で提供