ソウル市内の大学の看護学科4年生の学生(22)は7日、自宅隔離となってから11日目を迎えた。学生は先月27日、同市内の大規模病院で看護実習を行ったが、中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)に感染した患者と接触したことが分かり、保健当局から自宅隔離を通告され、28日から隔離生活を送っている。
学生が感染者と間近で接触したのは先月27日午前のことだ。学生は問題の患者が車いすに乗れるよう、ベッドから起こして向きを変える作業を手伝ったという。病床で用を足すのを看護師と一緒に手助けし、近くで会話もしたとのことだ。翌日午前、政府の疾病管理本部から「きのう接触した患者が、MERSに感染しているとの判定を受けた」と通告され、直ちに自宅隔離となった。
学生はこの日、本紙の電話取材に対し「自宅隔離の通告を受けたとき、MERSに感染したのではないかと心配したが、これまで特に症状は出ていない」と話した。学生と同時に自宅隔離の通告を受けた同じ学科の学生(21)は、家族が部屋のドアの前に食べ物を持っていき、ノックをした後、部屋に食べ物を持ち込み、トイレに行くとき以外は部屋の外に出られないと語った。
10日以上にわたって自宅隔離となっている学生たちは「MERSに対する恐怖心はほとんどなくなった。MERS患者を看護しなければならない現場に行っても、手を取って手助けしようと思う」と話した。
これまで、いかなる症状も出ていない人は最近、疾病管理本部や保健所の関係者から「もう感染の心配はほとんどなくなった」と通告されたという。これといった症状が出ない場合、今月10日前後に隔離の措置が解除されるものとみられる。学生たちは「医療現場にいる人たちはMERSへの感染に注意する必要があるが、地域社会が大騒ぎするほどの病気なのかどうかは分からない」と話した。