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2015年6月 8日 (月)

つねる

 娘が以前のクラスメートと放課後に公園で待ち合わせた。 メンバーを聞いたら微妙な組み合わせだったが いってらっしゃいと送り出した。 夕方のチャイムが鳴る前に娘が帰ってきたのも珍しかったが 息を吸うのも忘れるくらいの勢いでしゃべり始めた。 時々 赤黒くなる顔をみながら深呼吸を促した。

  娘は多分クラス一番のバカだった。 しかも担任公認で ひとり漢字テストを ひらがなで書いていた光景は 周囲から見ると不思議ちゃんである。 これも娘のIQを年齢に換算して配慮よろしくと言ってしまった自分に原因があったと今では思う。 多様化する子供の障害について教員資格は持てども 各方面に対し専門教育を受けていない担任教師へ伝える事の難しさを学んだ。 
 なんでその日の遊びに娘も誘われたのか 子供の人間関係は分からないが 最初楽しく公園で遊んでいたが つねる癖をもつ女の子が 「お前バカだから支援級に行ってしまえ~」 と数人の男子に囲まれ大泣きする事態になったらしい。 娘は泣かなかった。 泣かずに他の女友達数人と学校へ行き 先生を呼び助けを求めた。 この学年の主任が対応し事態を掌握し 収めたと娘は言っていた。 

「子供だけで解決できないってすぐ分かったから 他の女の子と学校に行ったの」
 この判断力は正解である。 絶対誰か大人がいた方がいい問題だった。 また放課後でのことだが 対応してくれた学校の先生にもお礼がいいたかった。 
「ちなみに・・・ お前も の ”も” は誰のことでしょうか・・・?」
「・・・ わたし」 首をかしげながら娘は答えた 「自分がバカだと分かっているから大丈夫」 と泣かなかったことを自慢した。

・・・ 強くなったね ・・・

 その女の子は勉強が全くついていけない状態だった。 2年生の時から担任の先生が ことあるごとに 「お母さんに学校に来てもらって 現状を見てもらいます」 と言っているのを 子供達は 皆聞いていた。 けど母親を 見かけた子らはいなかった。 
「お前の母さん いつ学校に来るんだ~!」 「お前の親は知ってるのか? 勉強についていけてないことを!!」 
 男子が次々に 言葉を投げかけた。 娘は突然だったと言っていた。 彼女が先に何かしたのがきっけかも知れないし それは分からないと言っていた。 全然楽しくなかったと。

「支援級には 私がいるからね・・・・ って言ったから・・・」 
 娘がそうつづけた時に ヤバイと思った。

「さそわないで! 支援級に行けと言えば移動できるものでもないの。 誰でも簡単に来れる場所じゃないのよ。 いろいろ検査したの覚えてる? あのステップを踏むのは 誰でもつらいの。 普通の子と違う場所を見つけるんだけど・・・ 違うことは悪くないんだけど 悪いと言う人もいるからね 」 
 私が言えば 娘もテストは嫌いと言っていた。 
「それとね。 支援級は 彼女の親が決める事。 学校の先生が何を言っても 最後に決めるのは親なの だから誘わないでね」 

 娘は わかった・・・ とつぶやいた。

 まだ親権がどうのとか 勉強が出来ない=知的障害ではないことは 幼い娘に理解できないだろうと思った。 そして周囲の子供達も同じである。 でも最近の娘は 支援級の楽しいことばかり友人にPRしている。 そっちを禁止したかった。 勧誘禁止と。 

 小さな瞳は見ている。 担任が問題児と決めた子の親が 授業風景を学校公開でもないのに見学する姿を。 それが何を意味するかも なんとなく知っている。 
「早く 親に きてもらえ~」 その背景には 子供の前で 親を呼び出すと宣言する学級担任の姿もある。 これは いじめだろうか。 それとも 子供同士のよくある トラブルなのだろうか。
 とにかくこの件に関して 学校は知らぬ存ぜぬを 決めなかったことを 評価したい。

 

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