北海道4人死亡:長男ひき逃げ容疑、トラックの男逮捕へ
毎日新聞 2015年06月08日 21時29分(最終更新 06月08日 23時40分)
北海道砂川市で車2台が衝突するなどして歌志内市歌神(かしん)の会社員、永桶(ながおけ)弘一さん(44)ら家族4人が死亡した事故で、道警砂川署は8日、事故故現場から高校1年の長男昇太さん(16)を約1.5キロにわたって引きずり、そのまま走り去ったとみられるピックアップトラックを運転していた20代の男を道交法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕する方針を固めた。
衝突現場から北西へ約800メートルの昇太さんが死亡していた場所までの路面には血痕とみられる痕があり、同署はひき逃げ事件として捜査。7日午前に20代の男が同署に出頭してきた。男が説明した知人宅の敷地からトラックが見つかり、8日も事情を聴いた。
道警によると、トラックは米国メーカーの左ハンドルで、右の助手席側面の窓の下付近が大きくへこんでいるという。
一方、永桶さん一家が乗った軽ワゴン車は、衝突した乗用車の進行方向と同じ北へ50メートル以上飛ばされ、片側2車線の国道12号の左車線をふさぐように止まった。乗用車はスピンして中央分離帯に突っ込んで大破、炎上した。道警は、衝突事故の後、後続のトラックの右側面が乗用車と接触し、路上に投げ出されていた昇太さんを引っかけた可能性があるとみて調べている。
衝突現場から南約1キロの地点にある防犯カメラには、6日午後10時35分ごろに発生した事故の直前、国道を猛スピードで北上する2台の車が映っていた。
道警の調べで、現場の交差点にはブレーキ痕はなく、別の防犯カメラの画像から乗用車の側が赤信号だった可能性が高いことも判明した。
軽ワゴン車がはじき飛ばされた状況から、乗用車はかなりのスピードで赤信号の交差点に進入した疑いがあるとみて、道警は乗用車を運転していた上砂川町の土木作業員の男性(27)ら3人のけがの回復を待ち、事情を聴く方針。トラックの男と乗用車に乗っていた男性が知人だとの情報もあり、2台が連なって走っていた可能性もあるとみて調べる。
衝突事故で、弘一さんのほか、妻文恵さん(44)と高校3年の長女恵(めぐみ)さん(17)が死亡した。中学1年の次女光(ひかり)さん(12)も重体という。【袴田貴行、安達恒太郎、渡部宏人】