最初の男性患者(68)が自らMERS検査を求めたのに、政府の疾病管理本部が「訪問国はバーレーンだけ」と聞いてMERS発生国でないとして一度拒否しました。このため症状が出てから4病院を転々とするのですが、サウジアラビア訪問を最初から聞き出せなかった病院も、結果的に感染確認を2日遅らせた政府側もズサンすぎます。さらに感染力を甘く見て十分な防護措置をしなかったために大量に2次感染者を生みました。7日現在の患者は3次感染まで含めて64人、死者5人です。
イ・ジョングソウル大学病院グローバルセンター長・元疾病管理本部長が中央日報に寄稿した《【時論】MERS危機を育てたのは安全不感症=韓国》が厳しく叱責しています。
《韓国の行政当局の初期対応が失敗だったのだろうか。韓国の中小病院の病院感染管理が問題なのか。韓国国民の安全文化が誤っているのか。この質問の相当部分が事実である。まず、最初の患者の足取り調査に失敗した。最初に症状が出て病院4カ所を回ってから申告された。そのため、その病院の接触者に対する逆追跡を速やかに行えず、今まで1400人余りを隔離措置するほかなかったのだ。これは外国の疫学資料ばかり信じて緩い措置を取ったためだ》
《隔離にともなう弊害を懸念して、隔離を躊躇したためでもある。韓国当局は数多くの病院医療スタッフの手や劣悪な病室のドアの取っ手、水道の蛇口について考えることができなかった。換気ができない施設によって同じ部屋・同じ階の患者や看病した家族に広まりうる危険性を現場で見いだせなかった。臨床検査中心に調査していたため、広範囲の接触者を遮って疫学的つながりを遮断する措置を取ることができなかった。これがMERSの流行を統制できていない直接的な原因だ。専門家がおらず、組織も貧弱で権限もあまりなかったと言うだろう。しかし弊害があるとしても幅広く防疫網を張り、捜査をするかのように行動すべきだった》専門家の側に欠陥があり、受け止める一般国民側の公共心の欠如、自分勝手も第477回「安全になれぬ韓国、手抜き勝手の国民意識が原因」で指摘した通りに恐るべきものです。大量の隔離対象者を出しているのに隔離施設が貧弱であるために大半が「自宅隔離」になり、1日2度の確認電話で所在を確かめている状況です。「自宅では息が詰まるからゴルフに行った」ソウルの女性は警察まで動いて連れ戻す騒ぎになりました。
住民105人がいる全羅北道淳昌郡淳昌邑の村全体が5日から、村から出ることも外部から村に立ち入ることも禁止されたケースも72歳女性の身勝手からです。最初に患者が出た京畿道の平沢聖母病院に入院していて、退院しても自宅から出ないように保健所から指示されていたのに高齢者施設に出入りして村民ほぼ全員と接触する始末でした。MERSの第1次検査でこの女性に陽性反応が出て、村全体の隔離が決まりました。
ソウルの男性医師(38)が症状が出てから1500人を超える参加者の集会に出るなどしたと、ソウル市長が緊急記者会見で暴露した騒ぎも、医師にもあるまじき公共意識の欠如例に数えられるでしょう。《「MERS確診のソウル医師、1565人集まった総会に出席」》はこう報じています。
医師は
《1日に確診判定を受けた35人目の患者だ。ソウルの大型病院の医師であるA氏は、14人目の患者と接触した後に先月29日から軽い症状を見せていた。彼は翌30日午前9時から正午まで病院の大講堂シンポジウムに参加した》《せきと高熱が次第に激しくなり始めたのは30日からだという。彼は同日午後6時から7時間、ショッピングモール「ガーデンファイブ」の飲食店で家族と夕食をとった。そしてすぐに午後7時から良才洞(ヤンジェドン)Lタワーで開かれた「開浦洞(ケポドン)住公アパート再建築組合総会」に約30分間参加した後、帰宅した。総会に参加した人数は1565人だった》《症状は先月31日から急激に悪化した。だが彼は再び午前9時から10時間、病院の大講堂で行われたシンポジウムに参加した。症状が激しくなった彼はこの日午後9時40分には病院に隔離された》症状のある医師と接触した市民の数はいくらになるのか、空恐ろしくなります。ソウル市長が暴露したのは政府が事実を知りながら沈黙していたためです。市長と政治的に対立関係の大統領が暴露を非難すれば、市長もやり返す展開になっています。病院名の公表が遅れたように政府は必要な情報を公開せず、市民はネットの情報に依存する有り様になっています。
3次感染者が出ただけで終息するなら良いのですが、3次感染の外側に広がるようならパンデミック、感染爆発の危機です。大手紙は大統領に直接、指揮を取れと求め始めています。今月中旬に予定の大統領訪米どころでなくなる可能性が見え始めました
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