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竹秋遺稿『竹秋遺稿』(三谷九八、一九三四年一〇月三一日)。讃岐の古書店にて求めた漢詩集である。このブログでも取り上げる機会が増えてきたように漢詩集をぼちぼち集め始めている。だいたい気まぐれコレクターなのでろくなものにはならないにせよ、新しいジャンルを見つけると本を探すことが楽しくなる。 竹秋は松原竹秋。『続讃岐人物事典』にはこう書かれている。 《名は崇、字は士功、通称良助、号竹秋、竹里の子、琴平の人、燕石と親しみあり、昌平黌に学び詩文及書画を能くす、明治三十五年六月二十六日歿す、七十五。維新後内閣及び逓信省に仕へ後辞して高松野方町に住す。》 士功とあるが、本書では子功。また同事典によれば父の松原竹里はこいう人物だった。 《名は義質、竹里と号す、通称は半蔵、象頭山金光院に住す、詩文書画を能す、書名最も高し、嘉永四年七月二十一日歿す、年七十二。碑銘は燕石の撰になり左の辞あり。 書法端正。人品清高。嗚呼斯翁、実君子曹。》 象頭山金光院は香川県琴平町の金刀比羅宮である。松原親子と親しかった燕石は日柳燕石(くさなぎえんせき)で、讃岐国榎井村生まれ、勤皇の博徒。生家は地主で幼少より漢籍などを学んだが、金比羅様の賭場に魅入られて博徒となったそうだ。挙兵を計画したり高杉晋作ら勤皇の志士をかくまったりもした。明治元年、奥羽戦争の陣中で病歿、年五十七。 編者の三谷氏によれば竹秋には三百九十首余の漢詩遺稿があるが、本書には二百二十余首を収めた。巻頭に竹秋の遺墨および安積艮斎と清川正明(八郎、出羽鶴岡藩郷士)からの竹秋宛書簡がベタの写真版で掲げられている。序は大槻磐渓、阪本釤(釤之助)、岩渓裳川(森春濤門下)。巻末の諸家贈答文には日柳燕石、宍戸碧海、本城素堂、岩崎秋溟(儒者、土佐勤王党)、河野葵園(高木退蔵門下)、永阪石埭(森春濤門下、医師)、矢土錦山(岡本黄石門下)、本田種竹(阿波出身、東京美術学校教授)、岩渓裳川、渋谷香北、三谷象雲(九八、穆)。 巻頭の自筆の漢詩「夜下□[さんずい+奠]河」の活字の頁。□[さんずい+奠]河はデンと読むのか? 架蔵の字書に見えない。特定の河を指すのではないのだろうか? 大堰天竜は静岡県の河川。急流である。月とともに春の河を舟で下っているといった単純な意味にとっていいのだろう。内容はともかく文字遣いは凝っている。 編者の三谷九八は慶応三年生まれ。号は象雲。明道学校にて漢学、国学を学び、明治三十五年琴平町助役、三十七年に琴平町長となっている。二期勤めた後、郡会議員となる。昭和三十年歿。(『増補改訂讃岐人物事典』) ■
[PR] けっこうな康煕綴じですね。 袋も付いています。丁寧に作られた遺稿集と思います。 ちょっと思いついたのですが、「[サンズイ+奠]河」は「てんが」と読んで、天竜川を意味するのかも。ちょうど、墨田川の東側を「[サンズイ+墨]東](ぼくとう)として、[サイズイ+墨]で墨田川を意味するように。もっとも、「奠」は、堂錬切ですから「デン」と読むべきで、「天」の他前切「テン」とはずれますが、「テン」と慣用読みすることも多いです(例:奠都、奠儀など)。わかりませんけど。 なるほど、天河をひねったわけですね。腑に落ちました。淀川を澱河と言いますしね。 私は松原竹秋の娘の子孫です。竹秋遺稿に興味を持っていただき、自分の事の様に嬉しい限りです。遺稿本は一部を除き、今現在未解読です。維新前後の激動時に江戸や琴平で要人と交流し、漢詩においては死ぬまで研鑽を重ね、酒と肉が好きだったようです。5年程前、当方の家系図を作成した時に、竹秋の時間系列での解説文をいろいろ調べて記載したのですが、それ以後、あの時代や琴平の街並みに親近感を覚えるようになりました。坂出 讃岐、とくに丸亀、坂出、琴平あたりは日本でも有数の文化地域だったように思います。多くの文人が訪れています。松原様ご一族もその中心的な役割をになっておられたようですね。
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