サムスン物産に米ファンドが空売り攻撃

 米国系ヘッジファンド、エリオット・マネジメントの攻撃を受けているサムスン物産の株式に対する5日の空売り規模が過去最高を記録した。空売りとは株価下落が予想される局面で、株式を借り入れて市場で売却する手法を指す。

 韓国取引所によると、5日のサムスン物産株の空売り出来高は57万8171株、売買代金は430億7000万ウォン(約48億円)に上り、空売り関係の統計が残る2008年以降で最大規模だった。エリオットがサムスン物産の株式を7.12%保有していると明らかにした4日にも空売りは20万9815株に達した。エリオットの株式取得発表がある以前の1-3日のサムスン物産株の空売りは平均約7000株にとどまっていた。

 韓国では現在空売りができるのは、外国人と機関投資家に限られている。新韓金融投資のハン・ボムホ首席研究員は「サムスン物産に対する空売り増加は、エリオットもこれまでの外資系ヘッジファンドと同様、株価上昇後に利益確保に走るのではないかと観測が反映されたものだ」と指摘した。

 エリオットが利益確定売りに出れば、株価が急落し、そうなれば空売り勢力も利益を上げることになる。4-5日にサムスン物産の株価は急上昇し、エリオットが得た含み益は1457億ウォン(約163億円)に達した。

李敬恩(イ・ギョンウン)記者
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