4日放送の「ミヤネ屋」(日本テレビ系)でジャーナリストの青木理氏が、韓国の刑事司法を評価する一幕があった。

番組では競泳選手・元日本代表の冨田尚弥が、韓国での窃盗容疑における裁判の控訴を断念すると発表したことを速報で伝えた。

先月、韓国での裁判で有罪判決が下された冨田は、4日に記者会見を開いた。会見では、裁判で公開された監視カメラの映像も流し、映像が不鮮明で冨田本人と断定することも、カメラを盗ったようすも確認できないことが説明されていた。

そのうえで冨田は「この映像をもって、有罪になるのであれば、これ以上闘っても無意味だと思って控訴することをやめました」と、控訴を断念することや心境を語った。

その後スタジオでは、韓国の法律に詳しい金紀彦弁護士と、冨田の代理人・國田武二郎弁護士と中継をつないだ。

議論が進む中で青木氏が、第三者が映っていた監視映像の有無をキーポイントだと語り、金弁護士に日韓における証拠開示請求の差について訊ねた。

すると、金弁護士は「(韓国は)日本よりは証拠開示については進んでいると言われていまして」と答え、検察側が証拠を出さない場合、批判が殺到するのだと説明した。

これに対し青木氏は「検察・警察が証拠を抱えちゃって出さない。日本と韓国の共通の問題。欧米の刑事司法は基本的に全部出す」と指摘した。

さらに、見込み捜査における誤認逮捕について、韓国ではどのような状況なのかを訊かれた金弁護士は「日本では見込み捜査で逮捕状を請求した場合ほとんど通ってしまう現実がある」と説明したうえで、韓国では「かなりの部分で身柄を拘束しない、捜査に対して令状を出さないという裁判官の判断がある」「捜査や身柄拘束、強制捜査については、裁判官が日本よりも確実に慎重だという評価ができると思います」と解説した。

すると青木氏は「韓国は独裁政権があった後に、民主化運動ですごくリベラルな政治家が沢山出たので、刑事司法がある意味で日本よりも進化している所があるんです」「証拠開示も日本よりも恐らく少し進んでいるはずなんですよね」と韓国の刑事司法について理解を示しつつ「ひょっとしたらもう少し積極的に控訴審でやるっていう手もあったのかなという気もする」と、冨田の控訴断念を惜しむ言葉を漏らした。

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