先日「魔法少女まどか☆マギカ」の記事を書いたけど、そのまどか☆マギカが僕の好きな漫画である「ジョジョの奇妙な冒険」と、結構な共通点を持っていると気付いたので、今回はその共通点について検証してみたいと思う。
※当然の如く、ジョジョもまどマギもネタバレ全開なので要注意









・巴マミの能力
最初にまどかが出会う魔法少女である巴マミ。彼女はマスケット銃を生成すると同時に、リボンや糸も駆使して戦う魔法少女であるが、彼女はまどかと出会う前にはずっと孤独を感じており、リボンは絆に飢えた彼女の孤独の象徴なのでは、と僕は考える。というのも、ジョジョ6部「ストーン・オーシャン」の主人公である空条徐倫も、スタンド能力が発現する際、親との絆に飢えており、その影響か糸のスタンドであるストーン・フリーを得た。まどマギに出てくる魔法少女は、本人の願望に基づいて能力が決定されるので、絆を象徴するアイテムとして、徐倫同様糸が使えるようになったと推測できる。

・暁美ほむらの能力
最重要キャラの一人である暁美ほむら。彼女の能力は時間操作で、時を止めたり時間を巻き戻したりするのだか、この能力はどちらもジョジョのボス格のキャラが使う能力である。まず、前者が言わずもがなのDIOの世界(ザ・ワールド)、そして後者は第4部に出てくる吉良吉影の能力の一つであるバイツァ・ダスト。この能力は発動したときから一時間ほど時を巻き戻す(正確には時間そのものを爆破してなかったことにする)というもので、ほむらの能力はこれを強化したものと言ってよいだろう。因みに、ほむらはメイン武器として爆弾を用いるが、これも爆破のスタンドであるキラークイーンを意識しているのかもしれない。こう考えると、ほむらはジョジョのボスキャラと同じ能力を二つ備えた、とんでもないキャラだと言える。しかしこのアニメには更に上がいたのだ。


・キュゥべえのキャラ
それがこのキュゥべえ。作品中盤でその恐るべき本性を表したこいつは、感情から発生するエネルギーを採取しに来た地球外生命体で、自分の目的の為だけにまどかたちを利用したド畜生である。しかも本心や真実を語らずに利用していたにもかかわらず、それをまったく悪いことと思っていない。そんな鬼畜なこいつを形容する言葉が、ジョジョには二つある。それは以下の二つだ。

「吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!何も知らぬ無知なる者を利用する事だ…!!自分の利益だけの為に利用する事だ…!」byブローノ・ブチャラティ
「おまえは…自分が『悪』だと気付いていない…もっともドス黒い『悪』だ…!」byウェザー・リポート

この二つの台詞は、それぞれ5部と6部のボスキャラであるディアボロとプッチ神父を形容したものであるが、これはそのままキュゥべえを表すものとなっている。二人のボスキャラを形容する台詞がどっちも当てはまるマスコットキャラ、この事実だけでも恐ろしい存在である。しかしそれだけに止まらず、こいつは一回身体が消滅しても別の身体を伴って再び現れるという、D4C(いともたやすく行われるえげつない行為)(ジョジョ7部「スティール・ボール・ラン」のボスであるファニー・ヴァレンタイン大統領のスタンド。次元を行き来し、別の肉体を持ってくることができる)のような特性を持っている。この特性も合わせると、キュゥべえはジョジョのボスキャラ三人を合わせたキャラとなっており、ここからどれだけ悪質なキャラかと言うのが分かると思う。
余談だが、以下のジョジョのボスキャラが言った台詞は、どれもキュゥべえが言ってもおかしくない台詞であるが、以下の外道な台詞が似合うマスコットキャラというのは、改めて考えるとつくづく恐ろしい…。

「いい気になるなよ!KUAA!てめえら全員亡者どものエサだッ!青ちょびた面をエサとしてやるぜッ!」byディオ・ブランドー
「このカスが…激こうするんじゃあない……目的を達するというのが至上の事!」byカーズ
「あの目は……『肥だめ』で溺れかけてるネズミみたいに絶望しているぞ…」by吉良吉影
「よくも!! こんなーッ!…とるにたらない…小娘のために…………!!この便器に吐き出されたタンカスどもが!!この私に対して…………!!」byディアボロ
「おまえは、わたしにとって、釈迦の手のひらを飛び回る孫悟空ですらない。」byプッチ


・ラストの壮大さ
これはジョジョ6部「ストーンオーシャン」との共通点なのだが、この部のラストでは、ボスであるプッチ神父が時を加速させるスタンド能力メイド・イン・ヘブンを発動させて、主人公徐倫一行を一掃(エンポリオ除く)したあと、その副作用で世界を一巡させる。この世界が一巡する描写や展開は、それまでのジョジョにはない壮大なもので、ファンの賛否両論を生んだ。そしてそれはまどマギも同様で、まどかが円環の理という概念になり、世界を再編する展開が唐突に思えた視聴者が多く、異議を唱える声が聞かれた。加えて、プッチもまどかも、時を止める能力者の影響(前者がDIO、後者がほむら)で世界を再編するような力を得るという共通点がある。そう考えると、ジョジョ6部のような展開を意識して、まどマギの最終話が作られた可能性は大いにあるように思える。


・受け継がれる遺志
これも同様にジョジョ6部のラストとの共通点なのだが、ラストで主人公の傍にいたものが意志を受け継ぐ展開となる。ジョジョ6部の場合は、生き残ったエンポリオが主人公徐倫の預けた、仲間のウェザー・リポートの能力を受け継いでプッチを倒す展開となる。そしてまどマギの場合は、ほむらがまどかの弓矢を受け継ぎ、新たな世界で新たな敵を倒すというラストシーンで終了する。それに加え、エンポリオとほむらには「一人だけ前の世界の記憶を持ち続けている」という共通点がある。このエンポリオの姿を通して、作者の荒木飛呂彦は「希望を託す姿」を描いたが、まどマギの脚本家である虚淵玄も、ジョジョ6部で荒木飛呂彦が描いたのと同様に「世界が変わっても受け継がれる思いと希望」というのを、描きたかったのかもしれない。


以上のように、ジョジョ(主に6部)とまどマギは類似点が多く見られ、ジョジョに虚淵玄が触発されて作劇した可能性が高い(噂によると、虚淵玄はジョジョのようなバトルを描きたくて「Fate/Zero」を執筆したとのことであり、この噂が本当なら十中八九意図的にまどかをジョジョらしくしているだろう)。こう考えると、僕はジョジョが大好きで(もちろん「文芸ジャンキーパラダイス」の影響で)、だからこそまどマギにも熱中したのかもしれないと思えてくる。僕にとって、「ジョジョの奇妙な冒険」という作品の与えた影響というものを、改めて考えさせられた。

追記:調べてみたら案の定ジョジョ×まどマギのパロディ絵がいろいろあって、その中でも気になった絵をここに載せたいと思う。(許可云々は多分大丈夫だと思う)
・槍は剣よりも強し
yari×ken1

yari×ken2

・7話のアレ(女の子がやられると普通にエロいから困る)
sayaka2

・我が名は佐倉杏子ッ!(ちょっと泣けるパロディ)
kyoko

・吐き気を催す「邪悪」(誰だってそう思う。俺だってそう思う。)
homurati


・あなたは「希望」(やっぱストーン・オーシャン連想する人っているのね)
maadoka

・ほむほむ先生
homuhomusensei


やっぱりジョジョとまどマギって相性が良いね。