logmi・ログミー

世界をログするメディア

ビル・ゲイツやザッカーバーグ、なぜ大物起業家に大学中退が多いのか? 学校教育からイノベーターが生まれない理由

ビル・ゲイツやザッカーバーグ、なぜ大物起業家に大学中退が多いのか? 学校教育からイノベーターが生まれない理由

ハーバード大学研究員のTony Wagner(トニー・ワグナー)氏は、様々な分野の若い世代のイノベーターに調査をし、その共通点を分析していきます。また、その調査のなかで現在の学校教育がイノベーター育成に不向きであるという証拠を5つの観点から紹介します。同氏が語った、個人の潜在能力を向上させる方法とは?(TEDxNYEDより)

参照動画
Play, passion, purpose: Tony Wagner at TEDxNYED
スピーカー
ハーバード大学テクノロジー&起業センター 研究員 教育者 Tony Wagner(トニー・ワグナー) 氏
もっと見る

何を知っているかではなく、知っていることで何ができるか

トニー・ワグナー氏:この会場に教育者の方はどのくらいいらっしゃいますか? 昔やこれからでもかまいませんので挙手をお願いします……。そうですか、私のいる場所は正しいようですね。私は高校の英語教師です、本当ですよ。

(会場笑)

子ども達をメンターしたことがある人はいますか? この25年で学校の失敗や改革についてよく聞くことがあります。改革したい方はいますか? 「問題の構成が解決より重要なことがよくある」とアインシュタインも言っていますね。リスペクトの意味も兼ねて、学校は失敗してはいないと言っておこうと思います。

別に改革が必要ということではないのです。システムが時代遅れで再開発が必要なのであって、改革ではありません。では何が変わったのか? 今日では知識はコモディティー化されています。タダでなので空気や水みたいなものです。

カーンアカデミーのWebサイトを見たことがある人は手を挙げて下さい。ほとんどですね。やろうと思えばあのクオリティの教育は受けられるのです。周期表を暗記した人は手を挙げて下さい。全員ですね! 全部で何個ありましたっけ? 答えてもらってもいいですよ。でも先週新たに2個追加されたので間違ってるとは思いますが。

(会場笑)

あとは星ですね、ニュースを見ていないので増えたか減ったか知りませんが。ここでひとつ競争してみましょう、私がGoogleを使う間にアメリカの50の州都を答えてみて下さい。誰が最速でしょうね?

知識はコモディティー化しているのです。5年生より賢いとか3倍頑張ろうとかはもう誰も気にしてないのです。世の中が気にしているのは、何を知っているかではなく、知っていることで何ができるかということなのです。そしてここが教育の新たな問題点なのです。

「スキルがあるのか?」

「得た知識を役立てる意思があるか?」

こういったことが問われているのです。ここで私が経験した知性に関するストーリーを紹介しましょう。

職を得るために重要なスキルとは何か?

2005年にフリードマンの『The World is Flat』を読みました。読んだことありますか? ホワイトカラーもブルーカラーも関係なく、全てのルーティン業務が劇的な規模で委託されて自動化される世界について書かれているのですが、読んでぞっとしました。

彼の新しい本についてインタビューした際に、彼はこう言いました。

「あの本については1つ間違いがある」

それは何かと聞いたら、「あの変化の速度は実際はもっと速い」と言ったのです。この国際的な知識経済のなかで若者達が職を得るには、どんなスキルが必要なのかについて心配になりました。

というかそもそも必要なスキルそのものが同じなのでしょうか? イノベーター達に幅広く聞いてみることにしました。Apple、ユニリーバ、幹部層、アメリカ陸軍、コミュニティのリーダー、大学教員、ありとあらゆる人達です。

「今日最も重要なスキルは何か?」「重要なことは何か?」といった質問を彼らに聞きました。すると高校卒業までの過程で、一通りの根本的な能力を習得しなければならないということが判明しました。この21世紀において職を得るためだけでなく、活動的で情報感度を備えた持続的な学習者であるためのものです。

非常にシンプルな1つ目「批評思考と問題解決」。批評思考とは、的を得た質問能力によって非常に良質な質問をすることです。

2つ目、「ネットワークを通じたコラボレーションと環境による先導」。3つ目、「軽快なフットワークと適応力」。4つ目、「率先力とチャレンジ精神」。5つ目、「会話と書面での有効なコミュニケーション」。6つ目、「情報の取得と分析」。7つ目、「好奇心と想像力」。

3年半前にその本が出版された時にいくつかのことが起こりました。フリードマンが指摘した国際的な学力差がありました。

まず最初に、「たしかにその通りだ」と世界中から肯定の言葉をいただきました。台湾、シンガポール、ヘルシンキ、マドリード、バーレーン、バーミンガム、イングランド、ウォールストリートからウェストポイントまで、文字通り世界中からです。悪くはないですね。

他のことも起こりました。そうです、経済が崩壊したのですね。何かしらスキルを得て大学を出た子ども達が、戻ってきて職に就けないというのも目にしました。スキルはありますが何かが足りないのです。

現在、大学の卒業生の半数は無職かパートタイムです。3分の1は実家暮らしです。この会場にもおられるかもしれません。何を見逃しているのか? 何がうまくいっていないのか?

消費と貯蓄のどちらが多くても経済は持続しない

経済破綻の本質を理解するにつれ、それはどこかで読んだクレジット・デフォルト・スワップや、不動産業界のハイパーインフレとか以上のものだということがわかってきました。

すでに知っている人もおられると思います。私は知りませんでしたが、経済の70パーセント以上は消費者の支出に基づいたものです。皆が恐れているのは、消費者が消費をやめてしまうことです。それこそが失業の原因です。

2つ目です。消費者の支出は借金をする人によって加速しています。できるだけ早く家からお金を引き出し、クレジットカードに追加する。2007年の貯蓄率はマイナス2パーセントでした。

持ってもいないお金の消費に頼った経済を作り出してしまい、必要でないのに購入する。そういった行動がこの世界を脅威にさらしている。私の中でそういう結論になりました。こんなものが持続不可能なのはどう見ても明らかだと私は考えます。ジェレミー・クラウドが言うように、「環境的に持続可能ではない」といった状態です。

現在の貯蓄率は4パーセントです。消費より節約のほうが多いのです。精神的にも持続可能とは思えません。違う方法が必要なのです。


おすすめログ

おすすめログ

編集部のオススメ

最新ログ

もっと見る
TOPへ戻る