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皿周りを整える
step4まで作業した状態だと皿が不安定で、強く下に押したりするとアクリル円盤が外れてしまったり皿機構が壊れてしまったりしそうです。なので、皿の下に詰め物をして皿を下に押してもガタガタしないようにします。
問題の詰め物ですが、厚さ約15mmの円盤でドーナツ状のものというとなかなかありません。試行錯誤の結果発泡スチロールを使ったら良い感触が得られたのでおすすめしておきます。発泡スチロールはカッターで簡単に加工できるので厚みさえあれば切り貼りでなんとかなります。
他には、ダンボールを使ってやってみましたが、使っているうちにダンボールが潰れてきてしまってあまり良い効果は得られませんでした。
注意点としては、
この詰め物はアクリル円盤を皿の機構に接着させる前に詰めておくべきということです。
アクリル円板とサラの機構を先に接着させてしまうと、詰め物をアクリル円盤の下に固定するのがとても難しくなります(経験談)
詰め物はその性質上、その上にあるアクリル円盤と常に接していなければなりません。と同時に、皿が回る程度に滑るような表面にしなければなりません。そこで詰め物の上面としておすすめするのがカグスベールというものです(家具を滑らせるためのシートです)。
カグスベールとは本来は家具の下に敷いて、フローリング床の上でも引きずることができるようにするシートなのですが、詰め物の上に貼って使います。微妙な高さ調節にも使えるので重宝します。
詰め物がアクリル円盤と強く接していればいるほど、皿を回す時の摩擦が大きくなり、皿が重く(止まりやすく)なります。また、アクリル円盤の上に重りを置くなど、アクリル円盤自体の重量を大きくすることで同様の効果が得られます。皿の回しやすさ(硬さ)の調節にご利用ください。
ボタン調節
ビートマニアのボタンの内部について知ることによって、ホームのゲーセンのセッティングや、ゲーセン間のボタンの較差、果ては自分に最もあったセッティングについて知ることができます。ぜひ押さえておきましょう。
細かい理屈などはいいからどういうセッティングがポピュラーなのかを知りたい!という方はおすすめセッティングへどうぞ。
押し心地三要素説
ボタンの押し心地には、
ボタンを押す硬さ(以下ボタンの硬さ)
、
戻りの強さ
、
ストロークの長さ
の3つの要素があります。これらの各要素は
ボタンの種類
(芝、三和など)、
バネの種類
、
マイクロスイッチの硬さ
などの要因が絡み合うことによって決まります。
ボタンの押し心地の要因
上にも述べたとおり、ボタンの押し心地の各要素を左右するのは、主に
ボタンの種類
(芝、三和など)、
バネの種類
、
マイクロスイッチの硬さ
の3つです(※)。まずはこれらについて検討していきます。
(※ これ以外にもボタンの細部に溜まった汚れの多さ、静音化加工、ボタンの周囲を削る加工などによってもボタンの押し心地は変動すると考えられますが、特に説明することはしません。)
ボタンの種類
ボタンの種類は純正である三和のほか、芝、虹コン、DAOコンのボタンなどがありますが、三和ボタンとそれ以外(以下芝ボタンで代表させます)に大別して不都合はありません。
三和と芝では具体的に何が異なるかというと、 ボタンの内部にあるバネが収まるスペースの長さ (特にボタンを限界まで押した時)です(下図のaの長さ)。三和ボタンはこのスペースが長く、芝は短いです。
この長さの差は2つの差異をもたらします。
1つめは、各ボタンのデフォルトバネ(ボタンを買ったときに最初から入っているバネ)の自然長の差異です。これはボタンの規格が決まっているので当然とも言えます。詳しくは後のバネについての箇所で。
2つめは、各ボタンに同じ長さのバネを入れた時に生まれる、ボタンの押し心地の差異です。同じ長さのバネを入れても、三和ボタンの方にはバネを押していない距離が存在することになるので、芝ボタンよりもやや軽く感じられます。
バネの種類
バネは長さと硬さによって正確づけられます。
バネの長さは三和バネと芝バネがあり、三和バネはバネだけを購入することができますが、芝バネは芝ボタンにデフォルトでついてくる60gのものしかありません。三和バネは芝バネよりも自然長が長く、またバネの長さは
切断
、
伸ばし
、
逆伸ばし
という操作によっても変化させることができます。
切断
とはバネの硬さを変えずに長さだけを短くする操作で、1巻き切り、2巻き切り、半切りなどがよく行われています。
伸ばし
とはバネを伸ばした状態でしばらく固定し、塑性変形させる操作です。芝バネの長さを伸ばしたり、切ったバネを元の長さに戻す際に有効ですが、真っ直ぐに伸ばすのが難しく、根気のいる作業になります。
逆伸ばし
とはバネを一旦裏返して伸ばしの操作を行い、再び元の状態に裏返しなおすという操作です。スプーンを2つ使うことで家庭でもできますが、たいへん難しい操作です(よくわからないと思うので検索してみてください、わかりやすい動画が出てきます)。切断と同じくバネの自然長を短くする効果がありますが、バネに使われている金属の量(すなわち限界まで圧縮した時のバネの長さ)を変化させないという特性があります。逆に切断ではこの限界まで圧縮した時のバネの長さが短くなってしまいます。これはストロークの長さに影響してきます。
特殊な例として
バネ抜き
というセッティングがあります。内部にバネを入れず、直接マイクロスイッチにボタンを載せるという方法です。これにより、ボタンの押し心地の決定においてバネの硬さという要因は一切介在しないことになります。マイクロスイッチを直接押せるようになることで、よりレスポンスの良い打鍵が可能となりますが、マイクロスイッチの寿命を縮める可能性があります。
バネの硬さは
20g
、
60g
、
100g
があり、数字が大きいほど圧縮するのに力がいります。三和、芝の両方共デフォルトバネの硬さは60gとなっています。おそらく100gでまともにビートマニアができるひとはいないと思います(それくらい硬いです)。一般的なゲームセンターのセッティングの下では20gのバネだと少し軽め、60gだとやや硬めとなります。バネの硬さに関しては個人の慣れに依るところが多く一概に語ることはできませんが、2週間程度のやり込みで異なるセッティングに慣れることもできます。ぜひいろいろとお試ししてみてください。都内だと池袋のプロジェクトアドアーズというゲームセンターが重いボタンと軽いボタンの両方の筐体が置いてあります。
マイクロスイッチ
マイクロスイッチもスイッチ部分の押下圧が
0.25N
、
0.49N
、
0.98N
と3種類あり、数字が大きいほど押すのに力がいります。マイクロスイッチにはオムロン製のもの(純正品)と芝ボタンなどに付属しているタイ製のものがありますが、使用していてわかる程度の差はありません。この3つの中では0.49Nが圧倒的に普及しており、大多数のゲームセンターがこのマイクロスイッチを採用しています。
ボタンの押し心地の各要素
次にボタンの押し心地の各要素を定義します。
まず、通常のバネが入っているボタンを想定すると、ボタンを押していない状態では、ボタンの下部とマイクロスイッチが接しておらず、ボタンが僅かにバネの力でマイクロスイッチの上に浮いているという状態になっています。よって、ボタンを指で押し始めてから限界まで押し切るまでの動作は、
バネだけを押している状態(①)
↓
ボタンの下部がマイクロスイッチに接する
↓
バネとマイクロスイッチを押している状態(②)
↓
ボタンを押し切って静止
という4つの場面(動作としては2つの場面)に分析することができます。
同様に、完全に押し切った状態から指を離すと、
バネとマイクロスイッチがボタンを持ち上げている状態(③)
↓
ボタンの下部がマイクロスイッチから離れる
↓
バネだけがボタンを押し上げている状態(④)
↓
ボタンが完全に持ち上がって静止、
という分析がなされます。
図で説明すると、AとBの状態の間が①と④、BとCの状態の間が②と③になります。
このように分析した上で、ボタンの動作にバネとマイクロスイッチの両者が関与している状態(②及び③)における力の作用の強度を
「 ボタンを押す硬さ 」
と定義します。逆にボタンの動作にバネのみが関与している状態(①と④)における力の作用の強度を
「 戻りの強さ 」
と定義します。
そして、ボタンを押し始めてから完全に押し切って静止するまでの距離を
「 ストロークの長さ 」
とします。
ボタンの押し心地の調節
以上の3つの要素を調節することによってボタンの押し心地を変化させることができます。この際に注意しなければならないのが、1つの要因を調節すると2つ以上の押し心地の要素に影響が出てしまう可能性があるということです。例えばバネの切断をすると、ボタンを押した時にバネを押す距離が短くなって硬さが軽くなりますが、同時にバネによってボタンの指に触れる部分が持ち上がる幅が狭くなり、ストロークが短くなるという影響も出ます。とくにバネの切断など一部の行為は不可逆的であり、また新たな部品を買うとなるとお金もかかるので慎重な調節を推奨します。
以下に、ボタンの押し心地の要素ごとのセッティングの調節の仕方及び、プレイに与える影響を箇条書きで表します。
●ボタンの硬さ
・軽くする・・・三和ボタンであれば芝バネに換装する、バネを切る、バネを軽いものにする、マイクロスイッチを軽いものにする
・硬くする・・・上と逆の操作
☆硬いほど疲れやすい、反応させるのに力がいる、指を置くことによる誤反応が減る、左右の力の差が顕著になる(左右でリズムがずれやすい)
●戻りの強さ
・強くする・・・芝ボタンであれば三和バネに換装する、バネを伸ばす、バネを硬いものにする
・弱くする・・・上と逆の操作
☆強いほど指を定位置に戻しやすくなる、縦連が取りやすくなる、CN/LNが外れやすくなる
●ストロークの長さ
・長くする・・・バネを伸ばす
・短くする・・・バネを切る、抜く
☆長いほど叩き始めてから反応までに時間がかかる、反動が得やすい
第二説
以上に紹介した三要素説では、ボタンを押し始めてから押し切るまでを4つの場面に区別した上で、それぞれの場面について押し心地の要素と言うものを定義しました。三要素説においてこれらの要素は互いに重複なく、全く区別されたものとして考えられています。
しかし、実際にボタンの押し心地の要素とはこのようにハッキリと区別できるものなのか、という疑問を投げかけるのが第二説です。この説の立場は、 押し心地の要素というような区分を考えることはせず、それぞれの要因が直接に押し心地全体に影響を与えていると考えるものです。
例えば、三要素説ではボタンがマイクロスイッチから離れるという事実を重視して、マイクロスイッチは
ボタンの硬さ
以外の要素に影響を与えないという整理がなされています。しかし、実際にプレイするときの感覚として、0.25Nのマイクロスイッチを使うと軽さゆえに底まで押し切ってしまうことがほとんどですが、硬めの0.98Nを使うとマイクロスイッチが反応する程度の深さまでしか押さずに指を戻すこともできます。すなわち、硬いマイクロスイッチを使うと擬似的に
ストロークが短くなる
ということができて、これはマイクロスイッチの硬さが
ストロークの深さ
に影響を与える例として挙げることができます。同様に、マイクロスイッチの硬さ、すなわちスイッチ部の弾性力がボタンの
戻りの強さ
に影響を与えているということも考えられます。
また、
ボタンの硬さ
と
戻りの強さ
の関係について、両者は通常の打鍵においてはひと続きとなって感じるものだという点は格別の注意を要します。例えば0.98Nのマイクロスイッチに20gバネを載せるようなセッティングでは、ボタンの硬さと戻りの弱さに大きな差が出ます。実際にプレイしてみても、ボタンを押し始めて途中まではすごく軽いけれど途中からはすごく硬い、というようにメリハリのある感触になります。このようなボタンを押す動作のフェイズ間の感触の差異というものは三要素説では説明できません。
以上のような問題意識に立って唱えられるのが第二説です。第二説では、 ボタンの押し心地を要素に分解することなく全体を一つと見た上で、各要因は三要素という区分に縛られることなく押し心地全体に直接影響を及ぼしている、と定義することによって実際のボタンの構造やプレイするときの全体としての感触を説明可能にしています。
両説の関係
第二説は各要因の与える影響の範囲を拡大することによって実情に合わせた解釈が可能になったという点で優れていますが、押し心地を全体としてみることによって曖昧化させ、結局どのようなセッティングによって求める押し心地が得られるのかがわかりにくくなっています。例えば縦連が押しにくい(戻りが弱い)という問題に対して、やはり最も直接的に影響を与えているのはバネの硬さ(有無含め)ですが、これは三要素説を採用したときにこそ真っ先に得られる結論であって、第二説に基づいて考えると押し心地を全体として見るがゆえに問題が顕在化しにくいです。
よってボタンの調節を行う上では、三要素説の定義を維持しつつ、 ボタンの押し心地の3つの要素はそれぞれ独立したものではなく、相互に接続していて関連しあっているものだと捉えることで、最善の結果が得られると結論づけます。
おすすめセッティング
以上を踏まえた上で、芝ボタンの下でのポピュラーなプリセットをいくつか紹介しておきます。よくゲーセンなどで使われているセティングは軽め、又は中くらいです。
・バネ抜き
バネなし+マイクロスイッチ0.98N
バネなし+マイクロスイッチ0.49N
・ペタペタ
三和バネ20g半切り+マイクロスイッチ0.25N
・軽め
三和バネ20g半切り+マイクロスイッチ0.49N
三和バネ20g1.5〜2巻切り+マイクロスイッチ0.49N
・中くらい
三和バネ20gそのままの長さ+マイクロスイッチ0.49N
三和バネ60g半切り+マイクロスイッチ0.49N
・硬め
芝バネ60gそのままの長さ+マイクロスイッチ0.49N
三和バネ20g+マイクロスイッチ0.98N
静音化加工
外箱への加工
中に物を詰める
騒音が大きくなる原因として、中の空洞に音が反響するという事が挙げられます。アコースティックギターやカホンなどをイメージすればわかりやすいと思います。これを避けるために中の空洞を密度の高いもので埋めるという方法が考えられます。密度の高いものの代表は本で、辞書などを複数敷き詰めるとちょうどいいでしょう。
静音化の効果としては、おそらく気休め程度でしょう。今まで振動することによってかかっていたリバーヴのような残響音が無くなる程度の静音化です。しかし中に物を詰めることによって、空の箱を叩くと言うよりは中身の詰まった箱を叩くということになり、打鍵感にいい影響が出るという副作用が認められます。
パテを使う
本を敷き詰めても肝心のボタン周辺を埋めることができないので、その周辺はパイプの周辺などを埋めるのに使うパテを用いて埋めます。使うのは配管・隙間充填用パテで、質感は堅い粘土、練ってる感じはものすごく硬くなったガムに近いです。ほぼ無臭、色は白系のものがほとんどで、価格は1kgで900円程度ですがボタン周辺を埋めるならば500gで十分でしょう。ゴム手袋での作業が推奨されていますが、木材にくっつくのと同じくらいゴム手袋にもくっつくので、めんどくさくなったら素手でやりましょう。1cmか2cm大の団子を少しずつ手にとり、隙間の形に手の中で練ってからボタンの隙間に押して固めていきます。この作業中はボタンからマイクロスイッチやランプの部品を外すことを推奨します。
静音化の効果としては、打鍵音がとても乾いた音になります。鍵盤周りの空洞に音が反響することによって出ていた残響音が全てなくなり「パチッ」というとても短くて乾いた音になります。静音化としてはかなり効果があるといえるでしょう。
ボタンへの加工
ボタンそのものへの加工として、ボタンのうち手に触れる部分(色のついた部分)と外箱に設置する部分(黒い部品)がぶつかるところに薄くゴムの膜を張るということが考えられます。筆者が試した中では薄いゴム板が最も有効でしたが、ストロークの長さが変わってしまうという問題と、たまにボタンがゴム板に張り付いて戻ってこなくなるという問題がありました。今のところ有効な解決手段は見つかっていません。静音化の効果としては最も効果がありますが、ボタンが使い物になくなるという静音化以前の問題があります。