渡邉美樹の「快答乱麻」WEB版

【38】「草食系男子」が流行語になりましたが、男性はこれでいいのでしょうか。

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Q 「草食系男子」が流行語になりましたが、男性はこれでいいのでしょうか。
私の職場を見渡すと、周りの若手は「草食系男子」ばかりです。
プライベートに口を挟むつもりはありませんが、仕事にもやる気を見せない彼らに、イライラすることがあります。
どうして、日本では草食系男子が増えてきたのでしょうか。
韓国の友人は、「現状を変える早道は徴兵制」だと真顔で言っています。

(メーカー・開発設計、26歳、女性)

 私が興味深いと思うのは、若い男性たちが何事にもガツガツしなくなったということ以上に、「草食系男子」の存在を、世間が拒否することなく受け入れている点にあります。それどころか、草食系は格好いいとする風潮すらあるようです。

 「草食系なんて格好悪い」と女性たちが全員で大声を上げたら、きっと、草食系男子は一人もいなくなるのではないでしょうか。いつの時代も男性は女性に嫌われることを恐れます。しかしそうするまでもなく、草食系男子の増加は、平和で豊かな時代がもたらした一過性の現象に過ぎないという気がします。この言葉が死語になる日は、そう遠くないでしょう。ですから、現在の状況を憂える必要はないと思っています。

 それにしても、あなたの韓国の友人が真顔で言っている「現状を変える早道は徴兵制」というくだりを読んで、ある意味、なるほどと思いました。当然ながら、徴兵という制度を採用することの是非については様々な意見がありますし、ここで軽々しく論じることができない問題です。ただし、人を不自由な環境下に一定期間置くこと、上に立つ人間とその下で従う人間の関係を明確にすることの意義は改めて問い直す価値があるでしょう。

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