MERS:病院名非公開、自衛策を講じる市民たち

韓国政府は患者が発生した病院を非公開とする方針
患者が発生した病院を公開するサイトにアクセス急増
メディアの報道や市民の情報提供を基に地図に表示するサイトが登場
消毒剤やマスクなどの「家族セット」、防護服も品切れに
受験生、予備校に通う代わりにオンライン講義を受講

MERS:病院名非公開、自衛策を講じる市民たち

 中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)に伴う隔離対象者が1600人を超えるなど、事態が悪化する中、市民たちが自分の体を自分で守る動きを見せ始めた。保健当局や医療界の防疫網に隙があったのではないかと指摘する声が高まり、自衛策に乗り出したのだ。

 4日、インターネット上ではMERS感染者が訪れたとされる全国の病院の名前や住所を地図上に表示するウェブサイトが登場した。「MersMap」と名付けられたこのサイトは、保健当局がMERS患者の発生した病院の名前を非公開とする方針を示したため、メディアの報道内容やネットユーザーの情報提供を基に、インターネットの地図サービスを利用し、MERS患者の発生が疑われる病院や地域を表示している。

 実際、このサイトでは、首都圏(ソウル市・仁川市・京畿道)を中心に、赤い表示が十数カ所表示されている。MERS患者が治療または診断を受けたり、隔離されたりしている地域についての説明や、それを裏付ける根拠の説明も挿入されている。サイトの運営者は「情報の信ぴょう性を確保するため、証明が可能な情報だけを、電子メールを通じ受け付けている。MersMapに掲載されている情報がうそだという情報が5回以上寄せられた場合には削除している」と話した。このサイトの情報は100%事実だと確認されたわけではないが、アクセス者が急増したため、3・4日の二日間で2回もサーバーを増設した。

 オンライン・ショッピングモールでは、マスクだけでなく、まるで宇宙服のような使い捨ての防護服、抗菌石鹸、手の消毒剤など、さまざまな拘禁・除菌グッズが飛ぶように売れている。伝染病の流行によるパニックを描いた映画『かぜ』(2013年)で、防疫関係者たちが着用した防護服は1着1万ウォン(約1100円)程度で、有名なオンライン・ショッピングモールはどこも品切れ状態だ。ある購入者は「映画のように伝染病が大流行すると思って購入した」と話した。

ヤン・ジホ記者
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