感染症専門家でエボラウイルスの発見で知られるピーター・ピオット英ロンドン大教授は都内で会見し、韓国で死者を出した中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)には「(西アフリカを中心とした)エボラ出血熱より大きな感染拡大リスクがある」と指摘した。
同氏によると、エボラのように患者の血液や体液に触れなくても、病院内で空気感染する可能性がある。地球規模で人の移動が盛んな現状では日本に波及して感染が広がる事態も十分に考えられる。これを防ぐには医師による問診の徹底などが必要だと呼びかけた。
具体的には(1)医師は呼吸器系の症状がある患者に問診で過去3カ月間の渡航歴を聞く(2)韓国やサウジアラビアの例によれば病院の集中治療室でうつる危険が最も大きいので院内の管理を徹底する(3)感染が判明した患者と接点があったすべての人を特定し一定期間は隔離する――ことを求めた。
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