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素材・エネルギー

糸で回路、生地を基板に“電気製品”作る−テクニカル・テキスタイルが生み出す新市場

掲載日 2015年06月08日
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水の中でも光を放ち続けるLED

 電熱で暖める肌着、心電図をとりやすくする装着具、危険性を着用者に知らせるセンサーを仕込んだ消防服―。5月にドイツ・フランクフルトで開催した世界最大規模の繊維(テキスタイル)の展示会「テクテキスタイル」。先進技術で繊維に機能性を持たせる「テクニカル・テキスタイル」を活用して新たな市場を創ろうとする意欲的な製品が並んだ。

 「刺しゅう機を使ったFSDの大量生産の技術も開発した」。光を放つ刺しゅうを縫い付けた布地を前に、チューリンゲン・テキスタイル研究所の研究者は力をこめる。LEDをスパンコール状にした「ファンクション・シークエンス・デバイス(FSD)」を電気を通す糸で作る刺しゅうの中に組み込んで、光る刺しゅうを実用化した。
 「基礎研究をするだけでなく、工場で実際に生産を可能にすることに重点を置いている」という同研究所は、刺しゅう機でこれを大量に生産する技術を確立。既にこれを活用した製品が市場に出ているという。
 生地を基板の代わりにし、糸で回路を構成して一種の電気製品を作る。この形で新市場を創出しようとするのは、繊維系の企業や研究所だけではない。エレクトロニクス関連の研究所であるベルギーのIMECなどがブースを設けた。そこで見せていたのは水を満たしたコップの中にLEDを組み込んだ生地を浸したサンプル。生地に施した防水加工によって水中でもLEDの機能が維持できる技術力を誇示した。
 同展示会には日本の大手繊維メーカーも参加。その中で旭化成は繊維素材のみならず、伸縮してたわみが出ない電線「ロボ電」を展示した。ロボット用として開発した製品だが、「欧州ではウエアラブルなどのテキスタイルが進んでいるのでこちらに出展した」(巽俊二旭化成せんいロボ電事業推進室長)。


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