(2015年6月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
一部からは反スターバックスと見られているかもしれないが、ブルーボトルコーヒーは同社が運営する小規模な職人風カフェを大金に変えている。
米カリフォルニア州に本社を置き、コーヒーの小売りと卸売りを手掛けるブルーボトルは、フィデリティが主導する7000万ドルの新規調達ラウンドを終結した。同社は企業評価額についてコメントしなかったが、これほどの金額を調達する新興企業は通常、数億ドル(それも5億ドル以上の後半の数字)の価値があると評価されている。
ブルーボトルの出資者のリストは長くなっており、今回、米国最大級の資産運用会社の一部門であるフィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチとヘッジファンドのテトラゴン・ファイナンシャル・グループが加わることになる。
同社の投資家には、すでに、モルガン・スタンレーやハイテク専門ベンチャーキャピタル(VC)のインデックス・ベンチャーズとトゥルー・ベンチャーズ、インスタグラムやツイッターの創業者、俳優のジャレッド・レトやプロスケートボーダーのトニー・ホーク、U2のボノといった有名人が含まれている。
「フィデリティのような人々は、チポトレやシェイクシャックがゼロから生まれたのと同じように、コーヒーとパンや焼き菓子でより優れたことをすることに大きなチャンスがあることが分かっているのだろう」。ブルーボトル会長のブライアン・ミーハン氏はこう話す。
東京に続き、アジアの他都市にも進出か
コーヒー業界に「第4の波」が訪れようとしているのか〔AFPBB News〕
今回の資金調達は4月のサンフランシスコのターティーン・ベーカリー買収に続く動きで、本拠地のベイエリアのほか、ニューヨーク、ロサンゼルス、東京で事業を拡大する原資となる。韓国、台湾、香港など、アジアの他の都市も後に続くかもしれない。
ブルーボトルの創業者兼最高経営責任者(CEO)のジェームズ・フリーマン氏は、コーヒー豆を卸売りで販売する「第3の波」と呼ばれるコーヒー会社の多くと異なり、同氏は店舗に重点を置いていると言う。「小売りは高くつくが、きちんとやれば、小売りはやりがいがある」