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窃盗犯の拘留取りやめ、飲酒運転の取締りも見送り・・MERSの余波で混乱する韓国―中国メディア

FOCUS-ASIA.COM 6月7日(日)18時38分配信

現代金報は6日、5日午後までに42人が中東呼吸器症候群(MERS)ウイルスに感染し、4人が死亡した韓国で生じている混乱について報じた。

韓国政府・保健福祉部が5日に発表した新たな感染確認者6人のうち、1人はソウルの南にある烏山空軍基地に勤務する兵士で、同国軍隊における初の感染例となった。烏山空軍基地は米韓両国軍が共同利用しており、米軍の衛生担当者はこの兵士と接触した人物約100人に対して住居内で待機するよう要求したことを明らかにした。

また、MERSウイルスのヒトへの感染源とされるラクダについて、同国内の動物園は相次いで「隔離」する措置を取った。また、慶州で開催されるシルクロード関連イベントでも、ラクダが描かれたポスターやパンフレットの使用を中止した。

警察の対応にも変化が出ている。MERS感染の恐れがあるため、感染が確認されている地域では飲酒運転の取締りが当面見送られることになったほか、感染者との接触があった窃盗容疑者の拘留をやめ、保健所に移送する事例も発生した。さらに、警察当局は4日、ネット上にデマを流した男2人を特定するとともに、事実に反する情報12件について調査を実施していることを明らかにした。

このほか、ソウル市長が4日に「現地の医師がMERSを疑う症状を呈していたにも関わらず大規模なイベントに参加した」と緊急発表したことについて、保健福祉部が5日に反発するなど、中央と地方との間の「口ゲンカ」も起きている。

一方、与党・セヌリ党は4日に専門家による討論会を開催。「隔離措置を行えば伝染はストップする」、「過度に怖がる必要はない」などの意見を集め、市民を落ち着かせようと試みた。また、外交部は本件による同国の国際的なイメージダウンを防ぐための特別対策グループを立ち上げたことを明らかにしている。

(編集翻訳 城山俊樹)

最終更新:6月7日(日)18時38分

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