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12:27
怒りや嘆きはともかく「ため息」はやめましょう!

24日、とあるニュースに心がザワつきました。女子テニス、東レ・パンパシフィックオープンに出場している伊達公子さんが、ミスの際にため息をつく観衆にマジギレし、「ため息ばっかり!」と試合中に叫んだというのです。さらに伊達さんは「これでは日本の観戦者のレベルが上がらない」と、観衆のため息に苦言を呈したとのこと。

脊髄反射的には「新手の更年期かな…」「イライラを客にぶつけられても…」「旦那も大変だな…」と、伊達さんに嫌味のひとつも返したくなるところ。しかし、落ち着いて考えてみれば伊達さんの言うことはごもっとも。例えば僕が仕事をしているとき、その出来栄えにため息をつかれたら、カチンときますし、やる気を失います。諦めと失望をダイレクトにぶつける行為に、必要以上に苛立つでしょう。伊達さんがやる気を失うことはないにせよ、ため息がプラスに働くこともないはずです。

いい観戦スタイルとは何か。

原点に立ち返れば、まず自分が楽しむこと、自分が満足することが一番です。では、観衆が自分の満足のためにできることとは何か。高いお金を払い、貴重な時間を投じて試合を見守るとき、何が一番望ましいかを考えていくと、願いは結局試合とそれを見守る自分が盛り上がることのはず。その際「ため息」は盛り上がりとはもっとも遠くにある行為ではないでしょうか。どっちかと言えば「盛り下がりのド真ん中」ですよね。ミスを嘆いたり、不運を呪ったりするにも、盛り上がってる系のやり方はあるはずです。

自分がミスをしたとき。ため息をついた観衆が携帯電話に目を落とすのと、握り締めたポップコーンを撒き散らしながら「OHHHMYGOOOOOD!!」と頭を抱えるのと、どちらが盛り上がってる感じがするか。選手も人間。ため息の中でプレーするよりは、熱狂の中でプレーするほうが気持ちいいでしょう。気持ちよくプレーすれば、いつもよりいいプレーが出るかもしれない。あと一歩の粘りが出るかもしれない。ドラマが起きるかもしれない。

万一ドラマが起きたとき、ため息から一気に熱狂には飛べません。それじゃ、せっかくのドラマが台無しです。常に希望を持ち、奇跡を願う姿勢こそがドラマにはふさわしい。もしそういう気持ちで見られているのなら、そもそも「ため息」が出るはずないのです。どんなに手痛いミスでも、折れない強い心が「まだまだぁ!!」と次のプレーでの奇跡を願うはず。

伊達さんの苛立ちはそういうところにあるのではないでしょうか。

自分たちが死力を尽くして戦っているのに、どこか諦めたような割り切ったような目で観衆は見ている。この先のドラマを見たくないのだろうか。まだまだここからでしょう。ピンチから這い上がってこそ勝利の価値があるんじゃないの。ていうか、今のは落ち込むようなミスじゃないでしょ。攻めた結果でしょ。気を取り直してもう一回でしょ。みんな何しに来たの。ちゃんと見てくれてる?盛り上がってないの?楽しくないの?…そんな風に選手が感じたとしたら、観衆としてもちょっと悔しいですよね。

観戦スタイルを語る際に「どこそこの観衆は目が肥えている」とかよく言います。気の利いたプレーや、一見簡単そうで実は難しいプレーに感嘆の声をあげる…確かにそんな観衆に認められたら選手も嬉しいでしょう。でも、そうでなくとも、自分を盛り上げ、場を盛り上げ、選手を盛り上げることはできます。子どもたちが素直な気持ちであげる驚きや喜びの声。そういったピュアな反応を自然にできることが、いわゆる「いい観戦スタイル」だと僕は思います。

決まったコールを知らなくてもいい。いつもの歌を知らなくてもいい。ルールはウロ覚えでもいい。自分がスゴイと思ったときの「スゴイ!」という反応を隠さないこと。褒めたいと思ったときには褒め、オイオイあの選手しょげてるよと感じたときは檄を飛ばすこと。その場その場の「反応」こそがライブで見守る人の特権。反応すべき瞬間を見逃さない熱意と、反応することの照れを捨て去る熱狂。それが試合を楽しく見るコツだと僕は思います。

そして、いろいろな反応の仕方はあるでしょうが、「ため息」は不要なんじゃないかと思うのです。

…という建前論を踏まえつつ、踏まえてもなお恐怖で震えが止まらない伊達公子さんの公開客説教について、早速チェックしていきましょう。


◆クルム伊達公子改め、クレーム伊達公子が有明の客の前に見参!

「みんな褒められて伸びるタイプなの?」「そう。じゃ今日は伸びなくていいわ」「これからみなさんをデカイ声で説教します」…彼女のいる場所はさながら女王の教室のよう。世界目線から日本人を説教するタイプの人物の中でも、とりわけ厳しさには定評のあるお方、それが伊達公子さんです。

現役復帰時に言い放った「11年間、解説をしてきて杉山選手が頑張っていると思うが、その後につづく選手が出てこない。技術はもっているのに試合の中で活かし切れてない。モチベーションに関して疑問に感じるところもある。私が復帰することで、若い選手の刺激になって(私を)追い抜いてくれる選手が出てくればと思う」という挑発と説教を足して2をかけたような宣言。

それが単に挑発して若手を伸ばすためではなく、あくまでも伸びるかどうかは若手の問題で、私は私で全力で若手を叩き潰します…というのが伊達さんなりの誠実さ。結局若手は伸びることなく、伊達さんが昔よりちょっと低い頂点に君臨しているだけに終わりましたが、それもまた伊達さんなりの叱咤激励なのでしょう。

そんな伊達さんが、今回の東レ・パンパシフィックオープン説教の舞台で掲げたテーマが「観衆のため息問題」。伊達さんは以前から苛立っていたこの問題の公開説教に臨む前に、観衆自身に気づいてほしいと考えていました。できれば怒りたくはないと考えていました。だからこそ、ブログで「ここ怒るよ」というヒントを出しもしたのです。

↓伊達さんの予告に観衆は気づかず!試験対策をしないまま試合に臨んでしまった!
<伊達公子オフィシャルブログ〜Always Smile〜 2013年9月22日の記事「2013東レPPO1回戦に向けて」より>

1年振りの東京での試合。
気持ちよくベストパフォーマンスは難しいかもしれないけど
ベストを尽くします。
プレーが気持ちよくできるよう
ため息のないサポートをお願いします!(笑+本気)

クレーム伊達:「プレーが気持ちよくできるよう」
クレーム伊達:「ため息のないサポートをお願いします!」
クレーム伊達:「(笑+本気)」

めっちゃ怖いwwwwwwwwwwwwwwwww

文字が笑ってないwwwwwwwwwwwwwww

ていうか「(本気)」って何だwwwwwwwww


↓前の説教でもここは出題された大事なポイントだったのに!
<伊達公子オフィシャルブログ〜Always Smile〜 2013年8月27日の記事「2013US OPEN1r」より>

今日は1試合目に錦織くんが負けてしまい
1つ空いて私が入ったのですが
コートに入った途端に何か重い空気がコートに
充満している感じ。
重い空気の中、さらに私の試合でも相手にリードされ
さらに重い空気がコートに中に出来てしまいました。
なんだかその重い空気がエネルギーをすべて吸い取って
いかれる感じ。
どうして日本人の応援って悪いときはこもる感じになるんだろう??

クレーム伊達:「コートに入った途端に重い空気」
クレーム伊達:「重い空気がエネルギーを吸い取る」
クレーム伊達:「どうして日本人の応援って悪いときはこもるの??」

めっちゃ怖いwwwwwwwwwwwwwwwww

一杯飲んでからじゃないと怖くていけないwwww

テニス行くの怖いよwwwwwwwwwwwwww

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全盛期のアントニオ猪木の狂気のごとき、笑いながら「殺すぞ」と言っているような殺気。ブログの文面からここまでの殺気を漂わせるとは、恐るべきかなクレーム伊達公子。しかも、それだけの殺気を漂わせながらブログタイトルは「Always Smile」。いつも笑顔でいたい…「けど」。「けど」の奥に淀む地獄の唸りのようなものが綴られているブログなのでしょうか。僕はこれほどの恐怖テキストを読むのは「恐怖新聞」以来です。

そんな伊達さんは24日のシングルス2回戦に登場。第1セットを3-6で落とすと、本来ならここから盛り上げてほしい日本のスタンドが早速ため息で充満。1ポイントごとに「あぁぁ…」という大きな落胆の声が漏れるようになります。あれほどブログで予告をしたにもかかわらず、まったく予習のできていない観衆に伊達さんの怒りは静かに熱を帯びていきます。

それでも第2セットはダイブレークまでもつれる接戦に。うむ、会場も盛り上がってきました。しかし、大事なタイブレーク最初のポイント。伊達さんはセカンドサーブをただ入れていくのではなく、勝利を目指した攻めるサーブを打ち込んだところ、ダブルフォールトになってしまったのです。本来なら、この果敢な攻めに「かーーーおっしぃ!!」「でもいいぞ!攻めてるぞ!」「ここからだ!きーみーこ!きーみーこ!」とでもやればよかったのでしょう。しかし、観衆は普通に「アカンやん…あぁぁ〜…」とため息を漏らしてしまったのです…!

↓するとクレーム伊達が「ため息ばっかり!!」と恐怖の公開説教!!
<動画:観衆のため息を公開説教するクレーム伊達(1分10秒頃から)>
http://www.tbs.co.jp/ppotennis/movie.html?no=m20130924

クレーム伊達:「ため息ばっかり!!」
クレーム伊達:「ため息ばっかり!!」
クレーム伊達:「ため息ばっかり!!」

勝ちゃため息はつかんけどね!

ため息もつけないこんな世の中じゃポイズン!

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ひ、ひ、ひぇぇぇぇ。これはもうため息は禁止するしかありません。ため息・即・説教。これがテニス界の合言葉です。ため息はグッとこらえて、「あぁぁ…おぉぉぉぉ!!」と無理やりにでもあげていきましょう。特に日本人は空気が陰湿にこもるので、絶対にため息はやめてください。あなたのため息が新たな恐怖を生みます。笑顔、笑顔、笑顔。何か敗戦間近の軍隊みたいな感じですが、恐怖に耐えて笑顔でお出迎えすることだけが、新たな恐怖を生むことを回避する唯一の方法です。肝に銘じてくださいね。Always Smile(いつも笑っていろ)のココロです!

↓ちなみに、騒げばいいってもんじゃないのでそこんとこ世露死苦!!
(伝説の1996年フェドカップ。女王グラフと3時間25分の熱戦を演じた伊達さんを、スタンドから松岡修造さんが国旗を振って熱烈応援していた件について、のちに伊達さんが語った言葉)

伊達:「あのウルサイのは誰だ!もー!、と思ってスタンドを見たら松岡さんだった」

伊達:「1球ぐらい(修造にサーブを)打ち込んで黙らせようかと思った」



クレーム伊達:「ウルサイ!!」
クレーム伊達:「もー!!」
クレーム伊達:「黙れ!!」

ため息もダメだし大騒ぎもダメwwwwwwwwww

自由クッソ少ない競技だなwwwwwwwwwwww

旦那は家でどんな息詰まる生活を送ってるんだwww


↓ちなみに女王グラフは野次にジョークで返してくれるくらいの小粋な人でした!


客:「Steffi! Will You Marry Me?」
グラフ:「How much money do you have?」
客:「HAHAHAHAHAHAHAHA」

伊達さんなら「降りて来い!」からスタートだなwww

土下座した頭がちょっとでも上がったらライジングショットする感じで、公開説教始まりそうwwww

ため息どころか、虫の息すら許されない予感wwwww

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楽しく安全にテニスを見るため、ため息は絶対禁止でお願いします!