東証1部:「時価総額拡大」が大勢 バブル超え

毎日新聞 2015年05月20日 22時49分(最終更新 05月20日 23時15分)

 20日の東京株式市場で、東証1部上場企業の時価総額が一時、バブル経済絶頂期の水準を超え、過去最高を記録した。上場企業数や経済環境が当時と今とは異なるため、単純に比較できないものの、市場は「一つの節目」ととらえ、堅調な企業業績や米国経済を背景に引き続き時価総額の拡大が進むとの見方が強まっている。

 楽天証券経済研究所の窪田真之チーフ・ストラテジストは「企業の利益が伴わなかったバブル期に比べ、今は利益がしっかりと伸びている。企業の株主還元も当時より進み、海外投資家の評価は高い。今後も拡大が続くだろう」と予測する。

 20日の日経平均株価の終値は2万196円56銭と年初来高値を更新し、2000年4月14日以来、約15年1カ月ぶりの高値となった。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「これまでは時価総額が上がりすぎると、利益を確定する売りが出るなどで株価が下がる傾向があった。今回は、堅調な日本企業の業績と米経済、世界的な緩和マネーに支えられて株価は上がっていく」と分析する。

 一方、野村証券の元村正樹ストラテジストは「好調な企業業績見通しが崩れない限り、株価が大きく下がることは考えにくい。ただ、期待が失望に変われば売りが加速する可能性もある」と指摘。企業が投資家の期待に応える水準の業績や、株主還元を実現できるかがカギとなりそうだ。【鈴木一也】

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