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 イルカの追い込み漁に従事している和歌山県太地町の「太地いさな組合」は27日、今後も漁を続けていく方針を発表した。追い込み漁を問題視した世界動物園水族館協会(WAZA)から会員資格を停止された日本動物園水族館協会(JAZA)が、加盟水族館に追い込み漁で捕ったイルカの購入を禁止し、WAZAへの残留を希望したのを受け、記者会見を開いた。

 組合によると、昨年8月にWAZAとJAZAなどが追い込み漁で協議。組合ではその後、JAZAと話し合い、昨年9月の漁期初めからJAZA側へ売却する分のイルカについては、初めから生体だけを捕る目的で漁をし、必要な分以外は放すよう改善していたという。

 松本修一組合長は「半年後にWAZAから会員資格を停止された。私たちは(JAZAと約束した)ルールに何ら違反はしておらず、納得がいかない。何か意図があるのかと勘ぐってしまう」とWAZAの対応を批判した。

 いさな組合が所属する太地町漁協組合の貝良文参事は「追い込み漁は残酷」との批判について、「(食用で捕獲した場合)脊髄(せきずい)を切断して一瞬で屠殺(とさつ)し、血が出ない方法で解体している」と反論。「これまで情報発信の仕方もわからず、反捕鯨団体の攻撃があるので発信してこなかったが、黙っていると誤解が広がってしまう。正しいことは正しいと伝えていきたい」と話した。(宋潤敏)