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 日本人初のノーベル賞受賞者、湯川秀樹博士(1907~81)と妻スミさんが海外で収集した絵はがきを紹介した「平和を願う世界の絵はがき展」が6日、中京区のきらら鍼灸(しんきゅう)整骨院で始まった。世界で核廃絶を訴えた足跡がうかがえる。7日まで。

 会場には夫妻が訪れた12カ国の名所などが描かれた絵はがきが並ぶ。一家が住んだこともある米国のものが100枚以上と一番多く、湯川博士がともに核廃絶を唱えたアルバート・アインシュタイン博士と出会った米プリンストンの絵はがきもある。会場を訪れた博士の長男春洋(はるみ)さん(82)は「立派な人だからと父に連れられてアインシュタイン博士と会った」と懐かしそうに振り返った。

 湯川博士は32歳で初めて海外に出て以来、物理学の国際学会や核廃絶運動の会議に出席するため何度も各国を旅した。スミさんも多く同行し、旅先で絵はがきを集めていたという。スミさんは絵はがきの展示を望んでいたが、06年に96歳で亡くなった。