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「小さな拠点」推進 国土形成計画 国交省が最終案 (2015/6/6)

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  国土交通省は5日、国土審議会計画部会に今後10年の国づくりの指針となる新たな「国土形成計画」の最終案を提示した。人口減少に対応するため「個性あふれる地域づくり」を目指し、地域間の対流を促す。農山村では「小さな拠点」を広げ地方移住を活発にする。一方、住宅や施設などを中核都市に集約する「コンパクトシティー」の推進も盛り込んだ。

 最終案では(1)安全で豊かさを実感できる国(2)経済成長を続ける活力ある国(3)国際社会の中で存在感を発揮する国――を目標として提示。国土の基本構想に地域間の人、物、金、情報が双方向に流れる「対流促進型国土」の形成を掲げた。生活に必要な各種機能を一定の地域に集約する「コンパクト化」と各地域をつなげる「ネットワーク化」を進める。
 
 農山村では、小学校区など複数の集落が集まる地域に買い物や医療、福祉などのサービスを集め、各集落を結ぶ交通手段を確保する「小さな拠点」づくりに取り組む。再生可能エネルギーなど地域資源を活用した雇用と所得の創出を目指す。
 
 農林水産業では輸出や農業経営の法人化、農家を主体とした6次産業化の推進を明記。担い手への農地集積も進める。
 
 都市部では中核都市の人口を増やし、生活サービスを集約化するコンパクトシティーを広げる。
 
 同計画にはこの他、文化、観光、交通体系、情報通信、防災、環境保全、共助社会づくりの実現に関する各種基本的施策も記した。座長を務めた中京大学の奥野信宏教授は「農山村の切り捨てではなく、人口減少の中で知恵を絞り、切り開いていく必要性を計画に打ち出した」と述べた。
 
 政府は今後、同計画に対する国民からの意見を募集。8月上旬までに閣議決定したい考えだ。閣議決定を受け、各省庁や都道府県、市町村は同計画に基づき、具体的な支援策を講じる。

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