年金情報流出:3種類のウイルス検出

毎日新聞 2015年06月06日 20時08分(最終更新 06月06日 21時18分)

 日本年金機構の加入者情報流出問題で、最初にウイルス感染が確認された5月8日から20日までの間、機構に計124通の不審なメールが送信され、少なくとも3種類の新種のウイルスが検出されていたことが関係者への取材で分かった。うち2種類はパソコンの遠隔操作を可能にするウイルスだった。

 機構などによると8日、九州ブロック本部(福岡市)に届いたウイルスメールを職員が開き、パソコンがウイルスに感染した。ウイルス対策ソフト会社の解析では、感染すると外部に接続してファイルをダウンロードするタイプだった。

 機構はウイルスを駆除するソフトを導入して全職員に配布したが、18日には異なる型のウイルスが入った100通以上のメールが送信された。ウイルスはパソコンのシステムに攻撃者からの命令を受ける「裏口」を作り、遠隔操作を可能にするバックドア型と判明した。

 また、19、20両日もウイルスメールが届いた。20日のウイルスもバックドア型とみられるが、18日とは異なる種類だったという。19日のメールは職員が削除したため、ウイルスの検体は入手できていない。

 機構は23日に機構本部のパソコン19台が大量に情報発信しているのを確認しており、遠隔操作されたことによって加入者情報が流出したとみている。

 計124通のメールの件名は「医療費通知」「厚生年金徴収関係研修資料」など4種類だった。【野倉恵、古関俊樹】

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