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 ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は6日、内戦の終結から20年となる旧ユーゴスラビアの多民族国家ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボを訪問し、ボシュニャク人(イスラム教)、クロアチア人(カトリック)、セルビア人(セルビア正教)の融和を呼びかけた。

 AFP通信によると、法王は市内の競技場での野外ミサで、世界各地で紛争が続く状況は「一種の第3次世界大戦」だと指摘。「我々は戦争の気配を感じている。それを扇動しようとする者もいる」と述べ、武器取引業者を批判した。また、戦争の苦しみを知るボスニア国民が、和解の努力を続けるよう呼びかけた。

 法王のボスニア訪問は、1997年と2003年のヨハネ・パウロ2世の訪問に次ぎ3度目。ボスニアでは92~95年、旧ユーゴスラビア連邦からの独立をめぐり紛争が勃発。多くの人が犠牲になった。(アテネ=山尾有紀恵)