STAP細胞論文などの研究不正に関連し、2014年度に大学や研究機関から不正と報告された研究が12件だったことが6日、文部科学省への取材で分かった。文科省が不正の全体的な件数をまとめるのは初めてという。
研究不正に関しては、対策を求める新指針が4月から適用されており、文科省は適切に運用されているか年内にも実施状況を確かめる。
不正の件数は論文の捏造(ねつぞう)や改ざん、盗用が正式に認定され、文科省に報告されたものをまとめた。インターネットなどで疑義が指摘された論文の撤回や修正などは数えていない。
小保方晴子氏の捏造や改ざんを認定した理化学研究所のSTAP論文のほか、東大分子細胞生物学研究所で元教授ら11人の論文33本に不正が認定された例が含まれる。
分野別では医学が7件と大半を占めた。教育学や言語学などの人文分野でも論文盗用があった。
文科省はこれまで、研究に競争的資金が使われた場合の不正を集計していた。新指針は大学や研究機関に対し、若手研究者への倫理教育や組織としての不正防止策を求めており、文科省は新設した「研究公正推進室」で今後指導する。〔共同〕
文科省